張闓 (東晋)

張闓（ちょう がい）

張闓（ちょう がい、生没年不詳）は、東晋時代に活躍した官僚であり、軍人です。字は敬緒といい、その家系は彭城郡に遡ります。

生涯

張闓は、呉の時代に輔呉将軍を務めた張昭の曾孫にあたります。太常の薛兼は、張闓を「現代における優れた人物」と評し、琅邪王司馬睿にその才能を推薦しました。その結果、張闓は司馬睿に仕え、安東参軍の職に就きます。その後、丞相従事中郎に転任しますが、母親の死により一度職を離れます。葬儀後、司馬睿は張闓に再び仕えるよう強く求めますが、張闓は病気を理由に固辞しました。しかし、司馬睿の強い意向により、官位を受けないまま職務を代行することになります。

建武元年（317年）、司馬睿が晋王となると、張闓は給事黄門侍郎に任命され、丹陽郡大中正も兼任します。補佐としての功績が認められ、丹陽県侯の爵位を授けられ、侍中に転任しました。

大興元年（318年）、司馬睿が皇帝（元帝）として即位すると、張闓は晋陵郡内史として地方に赴任し、その善政で広く知られるようになります。当時、晋陵郡下の4県は旱害に見舞われ、田畑は荒廃していました。そこで張闓は、曲阿県の新豊に堤防を築き、800頃もの田畑を灌漑することに成功し、その結果、連年の豊作をもたらしました。葛洪は、この功績を称える頌を作っています。しかし、この事業を独断で行ったとして罪に問われ、免官されてしまいます。その後、多くの人々が張闓を擁護したため、元帝も彼の評価を見直し、大司農に任じました。

永昌元年11月（323年1月）に元帝が崩御すると、張闓は大匠卿となり、建平陵の造営を監督しました。事業が完了すると、尚書に転任しました。

咸和2年（327年）に蘇峻が蘇峻の乱を起こすと、張闓は王導とともに宮中に入り、成帝を護衛しました。蘇峻の使者が張闓に対し、持節・権督東軍の任を与えると申し出ましたが、張闓はこれを拒否しました。王導と密かに協議し、庾太后に呉郡・呉興郡・会稽郡の3郡に対し、義軍を速やかに挙兵させる密詔を出させることに成功します。陶侃らが到着すると、張闓は仮節・行征虜将軍として、振威将軍の陶回らとともに丹陽の義軍を率いました。張闓が晋陵に到着すると、内史の劉耽に一部の穀物を供出させ、呉郡の度支を派遣して四部の穀物を運ばせ、車騎将軍の郗鑒に与えました。また、呉郡内史の蔡謨や前呉興郡内史の虞潭や会稽郡内史の王舒らとともに義兵を招集し、蘇峻を討伐しました。

咸和4年（329年）に蘇峻の乱が平定されると、尚書のまま散騎常侍の位を加えられ、宜陽伯の爵位を受けました。その後、廷尉に転任しましたが、病のため職を辞し、金紫光禄大夫の位を受けました。ほどなくして死去、享年64歳でした。

子の張混が後を継ぎました。

伝記資料

* 『晋書』巻76 列伝第46

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