怒江リス族自治州

怒江リス族自治州（ぬこう-リスぞく-じちしゅう）

怒江リス族自治州は、中華人民共和国雲南省の西北部に位置する自治州です。リス族という少数民族にとって、唯一の自治州として知られています。しかし、この自治州にあるすべての行政区画が、国家級貧困県に指定されているという現状も抱えています。

地理

雲南省の西北部に位置し、西側はミャンマーのカチン州、ミッチーナー県と450キロメートルにわたる国境を接しています。北はチベット自治区のチャムド市、東は雲南省のデチェン・チベット族自治州、南は同じく雲南省の大理ペー族自治州と隣接しています。州内には、サルウィン川（怒江）とメコン川が南に向かって流れ、この地域は三江併流地域の一部を構成しています。三江併流は、ユネスコの世界遺産にも登録されており、豊かな自然と生態系が保たれています。

歴史

怒江リス族自治州の成立は、1954年8月23日に怒江リス族自治区として始まりました。その後、1956年に自治州に昇格し、現在に至っています。この地域の歴史は、少数民族であるリス族の自治を求める動きと、中国政府の民族政策が絡み合って形成されてきました。

行政区画

怒江リス族自治州は、1つの県級市、1つの県、そして2つの自治県を管轄しています。

県級市：瀘水市
県：福貢県
自治県：貢山トールン族ヌー族自治県、蘭坪ペー族プミ族自治県

これらの行政区画は、それぞれ異なる民族が居住しており、独自の文化や伝統を保持しています。

年表

1954年4月6日：怒江リス族自治区が成立。
1956年4月29日：怒江リス族自治州に改称。
1956年10月10日：貢山県が自治県に移行し、貢山トールン族ヌー族自治県となる。
1956年11月26日：麗江専区蘭坪県を編入。
1958年10月22日：麗江専区麗江ナシ族自治県の一部が蘭坪県に編入。
1986年9月24日：碧江県が瀘水県・福貢県に分割編入。
1987年11月27日：蘭坪県が自治県に移行し、蘭坪ペー族プミ族自治県となる。
2016年6月16日：瀘水県が市制施行し、瀘水市となる。

交通

怒江リス族自治州の交通インフラは、近年急速に整備が進んでいます。

空港

怒江六庫空港（2023年開港予定）
怒江貢山空港（2022年開港予定）
怒江蘭坪空港（2020年開港）

道路

高速道路や国道、省道が整備されており、周辺地域とのアクセスが向上しています。

国道：G215国道、G353国道、G357国道
省道：228省道、232省道、237省道、318省道、321省道

健康・医療・衛生

医療体制はまだ発展途上であり、改善が求められています。

名所・旧跡・観光スポット

玉水坪遺址（蘭坪ペー族プミ族自治県・通甸鎮）

関連項目

民族：リス族、ヌー族、ペー族、プミ族、トールン族
言語：リス語、ペー語、プミ語
食文化：雲南料理、過橋米線、プーアル茶、涼拌茶
自然：雲貴高原、瀾滄江（メコン川上流河川名）、サルウィン川（怒江）、三江併流
歴史：大理国、中越戦争、中緬国境

怒江リス族自治州は、豊かな自然と多様な文化を持つ地域ですが、依然として多くの課題を抱えています。今後の発展が期待される地域です。

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