慕容熙

慕容熙（ぼよう き）

慕容熙（拼音: Mùróng Xī）は、五胡十六国時代の後燕の第4代皇帝です。慕容垂の子として生まれ、慕容盛の死後、帝位を継承しました。

生涯

即位前

385年、慕容垂の息子として誕生。母は皇妃の段貴嬪です。393年には河間王に封じられました。

396年、慕容垂が亡くなると、兄の慕容宝が即位。しかし、後燕は北魏の攻撃を受け、慕容宝は龍城へ逃れます。慕容熙は兄弟とともに都に残り、慕容隆に保護されました。398年、 internal strife が発生しますが、慕容熙は難を逃れます。

慕容盛の時代

蘭汗が簒奪すると、慕容熙は遼東公として先祖を祀る役目を担います。甥の慕容盛が蘭汗を討ち即位すると、慕容熙は河間公に降格されますが、都督中外諸軍事などの要職を与えられました。400年、慕容盛による契丹・高句麗遠征で武勇を示しますが、大局を見る視野に欠けると評されます。

慕容熙は慕容盛の伯母である丁氏と親密な関係にありました。401年に慕容盛が崩御すると、丁太后の意向により、群臣の意に反して慕容熙が帝位を継承。天王を名乗り、光始と改元しました。

即位後

即位後、慕容熙は慕容元に死を賜ります。また、慕容定を擁立しようとした動きを鎮圧し、関係者を処刑しました。苻謨の娘である苻娀娥と苻訓英を皇妃として寵愛し、丁太后を疎んじます。丁太后が反乱を企てると、これを鎮圧し丁太后に死を賜りました。その後、慕容熙の生母である段氏を皇太后とし、苻訓英を皇后に立てました。

405年、慕容熙は苻訓英の進言に従い高句麗を攻撃しますが、自らの失態により遼東を陥落させることができませんでした。さらに、契丹への攻撃も失敗に終わり、兵士の疲弊と多数の死者を出す結果となります。この戦いで負傷した慕容雲は、慕容熙の残虐さを恐れて官を去りました。

高雲の即位と死

苻訓英が亡くなると、慕容熙は葬儀のために龍城を離れます。その隙に、馮跋らが慕容雲を擁立して反乱を起こしました。龍城に戻った慕容熙は、城を奪還することができず、逃亡中に捕らえられ、慕容雲によって処刑されました。

在位6年、23歳で死去。慕容雲によって苻氏の墓に葬られ、昭文皇帝と諡されました。

治世

慕容熙は、即位後は龍騰苑を建設するなど贅沢な生活を送り、国庫を浪費しました。以下はその例です。

広大な龍騰苑を建設し、内部に巨大な景雲山を築かせた。
逍遥宮を建設し、多数の兵士が過労で死亡した。
苻娀娥の病死後、治療に当たった医師を処刑した。
苻訓英とともに各地を遊行し、多数の兵士が犠牲になった。
苻訓英のために承華殿を建設し、物価が高騰した。
苻訓英の死後、棺の中で交わるなどの異常な行動をとった。

宗室

出典: 『晋書』巻108～111、巻123～128

后妃

皇后 苻訓英
昭儀 苻娀娥（苻訓英の姉）

子女

『晋書』によれば、高雲の即位時に諸子は殺害されたとされています。

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