教育 (教育科学研究会)

月刊誌『教育』の歴史と現代

『教育』（きょういく）は、教育科学研究会によって編集され、旬報社から発行されている月刊誌です。その歴史は1920年代にさかのぼり、教育に関する議論や研究を促進する場として活躍してきました。ここでは、『教育』の前史、復刊の経緯、そして現在の編集体制について詳しく見ていきます。

前史：教育科学研究会と『教育』の誕生

『教育』の起源は、1931年から1933年にかけて岩波書店が発行した阿部重孝、城戸幡太郎、留岡清男などによる講座『教育科学』にあります。この講座の付録を基に、1933年4月に月刊誌としての『教育』が創刊されました。当初の刊行では、戸坂潤や羽仁五郎、矢内原忠雄、宮本百合子といった著名な社会主義者や自由主義者の寄稿が載っており、教育を巡る多様な視点が呈開されていました。

しかし、1937年に教育科学研究会が設立されると、その後は大政翼賛会に組み込まれてしまいます。1941年には教育科学研究会が解散し、1944年には『教育』も廃刊されるという厳しい時代を迎えました。

復刊と新たなスタート

第二次世界大戦後、教育科学研究会の再建を目指す動きが生まれました。宗像誠也、宮原誠一、勝田守一といった教育者たちの努力により、1951年11月には国土社から『教育』が「復刊」され、さらに1952年の大会を経て教育科学研究会も再構成されました。この復刊以降、国土社が長らく発行元として機能していましたが、時代と共に移り変わり、2012年にかもがわ出版、さらに2020年には旬報社に発行元が変更されました。

編集長の歴史と現在

戦後の教育科学研究会では、編集長が重要な役割を果たしてきました。初代編集長は勝田守一であり、その後も多くの教育学者がこのポジションを引き継いできました。編集長を務めた著名な学者には、古川原や五十嵐顕、大田堯、山住正己などが名を連ねています。彼らの指導のもとで、『教育』は時代に即した教育問題を取り扱い続け、多くの読者に支持されています。

このように、月刊誌『教育』は、教育に関する重要な視点を提供し続ける場として、歴史的な背景と共に現在もその役割を果たしています。

もう一度検索