日本の嫁シリーズ

『日本の嫁シリーズ』は、朝日放送（ABC）が企画・制作を手掛け、TBS系列の放送網を通じて1972年10月5日から1973年9月27日までの1年間、毎週木曜日の夜9時からの1時間枠で視聴者に届けられたテレビドラマシリーズです。

このシリーズの大きな特色は、日本の様々な地方都市を物語の舞台に選んだ点にあります。それぞれの土地固有の文化や風習、そしてそこに暮らす人々の人間模様や家族の絆を丁寧に描き出しました。制作にあたっては、舞台となった地域のJNN系列加盟局が協力し、その土地ならではのリアリティを追求しました。

シリーズは、それぞれが独立した全4作品で構成され、各作品は13話（1クール）ごとに交代する形式が取られました。

作品一覧

嫁ふたり
放送期間：1972年10月5日 - 12月28日
舞台：鹿児島県（制作協力：MBC）
主な出演者：京マチ子（花立千代役）、友竹正則（夫・武人役）、和泉雅子（花立欣子役）、浜田光夫（夫・文人役）、林隆三、原泉、荒木雅子、藤原釜足、大山のぶ代、加藤嘉、葉山ユリ、天野満里子 ほか

嫁の縁談
放送期間：1973年1月4日 - 3月29日
舞台：高知県（制作協力：KUTV）
主な出演者：小山明子（文子役）、安田道代（現・大楠道代、節子役）、吉沢京子（節子の妹・矢部みさを役）、沖雅也（慶次役）、岸輝子（皿鉢料理店「はちきん」主人・大町おうま役）、藤巻潤（「はちきん」板前・信吾役）、野川由美子（あやめ役）、佐藤英夫、北あけみ、住吉正博 ほか

嫁チャンポン
放送期間：1973年4月5日 - 6月28日
舞台：長崎県（制作協力：NBC）
主な出演者：山本陽子（ヒロ子役）、河原崎長一郎（夫・玄一郎役）、渡辺篤史（玄次郎役）、水谷豊（玄三郎役）、吉田日出子（かつ江役）、田崎潤（玄蔵役）、淡島千景（樋口たか役）、浜木綿子（悦子役）、土屋嘉男、志摩みずえ、菅井きん、藤原釜足、入川保則、酒井靖乃 ほか

嫁サこらんしょ
放送期間：1973年7月5日 - 9月27日
舞台：福島県（制作協力：FTV）。主に会津若松市が舞台。テーマ曲に民謡「会津磐梯山」の一節が使用されました。
主な出演者：宇津井健（新聞記者・鈴木芳太郎役）、有馬稲子（鈴木亜紀子役）、西川忠志（亜紀子の連れ子・鈴木安利役）、長岡輝子（芳太郎の母・鈴木カツ役）、梓英子（芳太郎の妹・鈴木芳恵役）、夏夕介（芳恵の結婚相手・和男役）、萬代峰子（亜紀子の母・きん役）、山田吾一、加藤嘉、稲垣光穂子、多々良純、渚まゆみ、仲谷昇、木村夏江、日色ともゑ、上田忠好、木田三千雄、早崎文司、住吉正博 ほか

スタッフ

脚本：北村篤子、安倍徹郎
プロデューサー：山内久司
演出：西村大介、杉本宏、河野雅人 ほか
制作著作：朝日放送

挿入歌

夏夕介「君がそばにいるから」（作詞・作曲：津坂浩、編曲：神保正明）（日本コロムビア）

補足

本シリーズは、出演者たちのその後のキャリア、特に同時期に制作されていた他の人気シリーズへの橋渡しとなる側面も持ち合わせていました。『嫁の縁談』に出演した沖雅也は、共演者の野川由美子やプロデューサーの山内久司の推薦がきっかけで、同じTBS系列で放送された時代劇『必殺仕置人』の主要キャラクター「棺桶の錠」役に抜擢されることとなります。さらに、本シリーズと同じ放送枠の後番組である『新十郎捕物帖・快刀乱麻』にも出演しました。また、『嫁ふたり』に出演した和泉雅子は『斬り抜ける』に、京マチ子と原泉は『必殺仕舞人』および『新・必殺仕舞人』へと、いずれも必殺シリーズ関連作品に起用されており、本シリーズが多くの俳優にとって重要なステップとなったことがうかがえます。

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