松平忠寿

松平忠寿

松平忠寿（まつだいら ただひさ）は、1882年（明治15年）1月25日に生まれ、1982年（昭和57年）7月7日に100歳で亡くなった、明治時代から昭和時代中期にかけての華族、海軍軍人です。忍藩最後の藩主であった松平忠敬の長男であり、奥平松平家14代当主として、子爵、貴族院議員、尚友会倶楽部理事長などの要職を歴任しました。

経歴

1882年（明治15年）に、元忍藩知事であった松平忠敬と、伏見宮邦家親王の十三王女である貴子の長男として誕生しました。海軍兵学校31期を卒業後、海軍少尉として日露戦争に出征。「八島」、「日進」、「台中丸」に乗り組み従軍しました。その後、艦政本部部員、横須賀軍需部第一課長、「榛名」副長などを歴任し、1928年（昭和3年）に海軍大佐で予備役となりました。

1919年（大正8年）12月10日には父の死去に伴い子爵を襲爵。1932年（昭和7年）7月10日には、貴族院子爵議員に互選され、研究会に所属しました。また、1936年（昭和10年）には忍郷友会の名誉会長に就任するなど、地域社会にも貢献しました。

晩年

1946年（昭和21年）5月9日に貴族院議員を辞職。太平洋戦争（大東亜戦争）で戦災に遭った目黒の邸宅（300坪）を「松平農園」と名付け、70歳にして東京農業大学の聴講生となり、野菜作りに精を出しました。1982年（昭和57年）7月7日、100歳という長寿を全うしました。

家族

父親の松平忠敬は上杉斉憲の六男であり、上杉茂憲の弟にあたります。前妻は奥田義人の娘である咲子（1892年生）。後妻は藤光曜（真宗出雲路派管主）の妹である都和子です。長男は松平忠晃（1914年生）。二男の柳原承光（1916年生）は五洋貿易取締役、日本テレビ放送取締役、霞会館常任理事を務めました。妻の武子は柳原博光の長女であり、孫の柳原由美子は皇太子妃候補の一人に名前が挙がったこともあります。長女の多美子（1917年生）は女子学習院を卒業し、夫の加藤正隆は加藤正治の三男です。

参考文献

『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
明治百年史叢書74巻『海軍兵学校沿革』原書房、1968年。
松野良寅『遠い潮騒 米沢海軍の系譜と追想』米沢海軍武官会、1980年。
帝国秘密探偵社『大衆人事録 東京』1937年。

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