桜島小池町

桜島小池町

桜島小池町は、鹿児島県鹿児島市の町で、桜島の西部に位置しています。かつては大隅国大隅郡に属し、変遷を経て現在の鹿児島市に至ります。郵便番号は891-1418で、2020年4月1日現在の人口は368人、世帯数は186世帯です。

地理

桜島小池町は、活火山である桜島の西側に位置しています。町の東部には、桜島の山頂付近で一般人が立ち入れる最高地点である湯之平展望所（標高373メートル）があり、桜島や鹿児島湾、鹿児島市街地を一望できる景勝地となっています。町域は、北から東にかけて桜島赤生原町、南は桜島横山町、桜島赤水町、野尻町と接し、西は鹿児島湾に面しています。

海岸沿いには鹿児島市立桜洲小学校があり、付近には大正大噴火で流出した大正溶岩の末端部が広がっています。小池から桜島白浜町にかけての海岸は、急な傾斜の砂礫で構成されています。町の北端には、湯之平や引之平へ続く登山道があり、海岸沿いには鹿児島県道26号桜島港黒神線が通っています。

自然公園・自然保護地区

桜島小池町は全域が霧島錦江湾国立公園に指定されており、特別地域特別保護地区や第1種・第3種特別地域、普通地域から構成されています。この地域は、豊かな自然環境を保護するための重要な場所となっています。

山岳

町域内には、湯之平（標高373.8メートル）があります。これは桜島山頂付近で一般の方が立ち入れる最高地点であり、絶景を楽しむことができます。

歴史

先史時代

小池では弥生土器が出土しており、古式の壺が発見されています。しかし、その形式に関する詳細な調査は行われていません。

小池の成立から町村制施行まで

小池という地名は江戸時代から見られ、大隅国大隅郡桜島郷に属していました。村高は「旧高旧領取調帳」によると203石余でした。しかし、寛文4年（1664年）の「郡村高辻帳」には記載がなく、測量家の伊能忠敬は文政7年（1824年）に小池を横山村の一部として記録しています。

安永9年（1780年）の桜島安永大噴火では、噴火と同時に海底噴火が発生し、約6mの津波が発生しました。天明元年（1781年）の噴火でも、津波が10回ほど海岸を襲い、大きな被害を受けました。

嘉永3年（1850年）には、薩英戦争の際にイギリス艦隊が小池村・横山村沖に停泊し、郷士らが戦闘配備につきました。

町村制施行以後

1889年（明治22年）の町村制施行により、桜島の西半分にあたる地域が合併し、北[[大隅郡]]西桜島村が成立。小池村は西桜島村の大字「小池」となりました。

1914年（大正3年）の桜島大正大噴火では、小池の人口は1,445人、戸数は119戸でした。噴火後、住民は鹿児島市などに避難しましたが、小池では82町歩余りが埋没し、集落の222戸が焼失・埋没する壊滅的な被害を受けました。避難後、桜洲小学校は現在地である小池に再建されました。

大正大噴火により、一部の住民は桜島を離れ、種子島や垂水、朝鮮半島に移住しました。

第二次世界大戦中の1945年（昭和20年）には、小池海岸でアメリカ軍の爆撃による被害も発生しました。

1973年（昭和48年）には西桜島村が町制施行し桜島町となり、1970年代には赤生原避難港や小池避難舎が整備されました。1994年（平成6年）には湯之平展望所が完成しました。

2004年（平成16年）に桜島町は鹿児島市に編入合併し、大字小池は廃止され、新たに鹿児島市の町「桜島小池町」となりました。

人口

1995年以降の国勢調査による人口推移は以下の通りです。

文化財

市指定

小池島廻り踊り（無形民俗文化財（民俗芸能））

施設

公共

湯之平展望所

教育

鹿児島市立桜洲小学校

寺社

小鳥神社（旧社格：村社）
如光院

教育

小・中学校の学区

市立小・中学校の学区は以下の通りです。

交通

道路

主要地方道：鹿児島県道26号桜島港黒神線

路線バス

鹿児島市交通局
（サクラジマアイランドビュー）- 桜洲小学校前 -
（60番 桜島線） - 方崎 - 小池 -

港湾

桜島港
赤生原地区（避難港（20番））

脚注

[参考文献]
「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。ISBN 978-4-04-001460-9。
桜島町郷土誌編さん委員会『桜島町郷土誌』桜島町、1988年3月25日。
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 978-4582910544。
中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会、2012、「第2章 大正噴火の経過と災害」 (pdf)（災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 1914 桜島噴火）、内閣府
中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会、2012、「第3章 救済・復旧・復興の状況」 (pdf)（災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 1914 桜島噴火）、内閣府
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。

[関連項目]
小池 (曖昧さ回避)

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