桜島武町

鹿児島市桜島武町

桜島武町は、鹿児島県鹿児島市の北部に位置する町です。旧大隅国大隅郡桜島郷武村を起源とし、町村制施行を経て、現在は鹿児島市の一部となっています。2020年4月1日時点で、469人、265世帯が暮らしています。

地理

桜島の北部に位置し、火山扇状地の扇端部にあります。北東は深谷川を挟んで桜島藤野町、南西は長谷川を挟んで桜島赤生原町と隣接しており、北西は鹿児島湾に面しています。温暖な気候と火山灰を含む肥沃な土壌を活かし、温州みかんやビワなどの果樹栽培が盛んです。

自然

町域の一部は霧島錦江湾国立公園に指定されており、特別地域として保護されています。桜島の北斜面から東麓にかけて、多様な自然環境が広がっており、豊かな生態系を育んでいます。

河川

深谷川
長谷川

歴史

先史時代

1944年と1949年に行われた発掘調査により、縄文時代の貝塚である「武貝塚」が発見されました。この貝塚からは、市来式土器、西平式土器、鐘崎式土器、指宿式土器、出水式土器など、様々な時代の土器や動物の骨、磨製石器などが発掘されています。特に、福岡県で多く出土する鐘崎式土器や熊本県で多く出土する西平式土器が見つかったことから、当時から九州各地との交流があったと考えられています。

中世

戦国時代には「岳」という地名が見られ、大隅国向島の一部でした。1537年の古文書に地名が初見され、その後、北郷時久の領地となりました。

近世

江戸時代には、大隅国大隅郡桜島郷の一部となり、桜島では最大の石高を誇っていました。1779年の桜島大噴火では、噴石や降灰による甚大な被害を受け、住民は鹿児島城下に避難しました。

近代

1889年の町村制施行により、西桜島村の一部となり、大字「武」となりました。1973年に西桜島村が町制施行し桜島町となり、2004年には鹿児島市に編入されました。合併に伴い、大字武は廃止され、新たに「桜島武町」が設置されました。

人口

1995年以降の国勢調査による人口推移は以下の通りです。

文化財

市指定
武貝塚（史跡）

施設

教育
桜島保育園

郵便局
西桜島郵便局
1893年に横山（現在の桜島横山町）に設置されましたが、1914年の桜島大正大噴火により焼失。翌年、武に移転しました。

寺社
南方神社
建御名方神と八坂刀売神を祀る旧村社です。鹿児島市街地にある南方神社との関連があると考えられています。


小・中学校の学区

市立小・中学校への通学区域は以下の通りです。

交通

道路
主要地方道：鹿児島県道26号桜島港黒神線

路線バス
鹿児島市交通局（60番桜島線）：新村 - 大久保 - 武登山口 -

港湾
桜島港：武地区（避難港）

脚注

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。ISBN 978-4-04-001460-9。
桜島町郷土誌編さん委員会『桜島町郷土誌』桜島町、1988年3月25日。
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。

関連項目

武 (曖昧さ回避)

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