毛利宗広

毛利宗広

毛利宗広（もうり むねひろ）は、江戸時代中期から後期にかけての大名であり、長州藩の第6代藩主です。毛利氏の20代当主にあたります。先代藩主である毛利吉元の五男として生まれました。正室には、松平宗昌の娘である勝姫（隔芳院・融芳院）を迎えています。諱は初め維広（これひろ）と称しましたが、後に8代将軍・徳川吉宗より偏諱を賜り、宗広と改名しました。

生涯

享保2年（1717年）に萩城で誕生しました。兄で嫡子であった宗元が早世したため、世嗣となりました。享保12年（1727年）には松平大膳と名乗り、諱を維広としました。同年、将軍・吉宗から一字拝領し、宗広と改名しました。享保16年（1731年）に父・吉元の死去により家督を相続し、15歳で藩主となりました。

藩主として、宗広は様々な施策を実行しました。岡山藩の倉安川を参考に、萩城下に藍場川を造成し、水運の便を図りました。また、神社仏閣の建設にも力を注ぎました。寛保2年（1742年）の江戸洪水では、手伝い普請を命じられています。

寛延4年（1751年）に35歳で死去しました。実子がおらず、後継者がいなかったため、支藩である長府藩から毛利重就を末期養子として迎えました。

系譜

父：毛利吉元（1677-1731）
母：永昌院 - 森氏
正室：勝姫（1722-1740） - 隔芳院・融芳院、松平宗昌娘
長女：豊（1740-1742）
側室：戸無瀬（1718-1796） - 実相院、上田明成娘
次女：齢（1747-1770） - 誠姫、毛利重就の養女、毛利重広室、のち松平容頌継室
三女：百合（1751-1756） - 毛利重就の養女
養子：毛利重就（1725-1789） - 毛利匡広の十男

偏諱を与えた人物

宗広から偏諱を受けた人物は多数存在します。

毛利広信（右田毛利家）
毛利広定（広胖）（広信の養子、重就の実兄。※広定については父の匡広から賜った可能性もある）
毛利広漢（広氏/広景）（阿川毛利家）
毛利広圓（大野毛利家）
井原広似（長州藩士。前藩主毛利吉元期の家臣、井原孫左衛門元歳の子と思われる。次男に熊谷就直がいる。年代から判断して就直の養父・熊谷元貞の子である井原就正は広似の養子と思われる）
宍戸広周（広満）（宍戸氏、安芸熊谷氏の出身で熊谷就直の義兄にあたる）
宍道広慶（廣慶）（益田就高の子、宍道氏を継ぐ）
椙杜広周（椙杜氏、椙杜元縁の孫）
福原広門（広茂）（宇部領主福原家）
益田広尭（須佐領主益田家、宍道広慶の実兄）
益田広高（問田益田家）
※死後
毛利重広（重就の養子。宗広の遺言により娘婿となり、重就の嫡子となるも早世）

参考文献

時山弥八編『国立国会図書館デジタルコレクション 稿本もりのしげり』1916年。
* 吉田祥朔『近世防長人名辞典』（増補）マツノ書店、1976年6月1日。

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