沙田至中環線

沙田至中環線（沙中線）について

沙田至中環線（さでんしちゅうかんせん、Shatin to Central Link、略称：沙中線）は、香港MTRが運行する鉄道路線であり、新界の沙田地区と香港島の中環（セントラル）エリアを結ぶ、全長約17キロメートルの路線です。香港で人口が最も多い新界沙田から九龍半島東部を抜け、ヴィクトリア・ハーバーを海底トンネルで横断し、香港島の中環へと至ります。

路線の特徴

沙中線は、10カ所に駅が設置され、以下の二期に分けて建設されました。

第一期: 大囲駅から紅磡駅間
第二期: 紅磡駅から金鐘駅間

この路線は、複数の既存路線と接続しており、以下の駅で乗り換えが可能です。

大囲駅（東鉄線）
鑽石山駅（観塘線）
何文田駅（観塘線）
紅磡駅（東鉄線、中国直通列車）
会展駅（北港島線、計画中）
金鐘駅（荃湾線、港島線、南港島線）

第一期区間（大囲 - 紅磡間）は、開業当初から馬鞍山線および西鉄線と直通運転を行い、屯馬線として一体的な運行がされています。一方、第二期区間（紅磡 - 金鐘間）は、開業時に紅磡駅から東鉄線に直通し、名称も東鉄線が踏襲されています。

開業の歴史

沙中線は、段階的に開業しました。

2020年2月14日: 大囲 - 啓徳間が開業。
2021年6月27日: 啓徳 - 紅磡間が開業。
2022年5月15日: 紅磡 - 金鐘間が開業。これにより、10年間にわたるプロジェクトが完了しました。

使用される車両

沙中線では、以下の車両が使用されています。

屯馬線

SP1900形: 川崎重工業および近畿車輛で製造。一部車両は東鉄線から転属。
港鉄屯馬線中国製列車（C-Train）: 中国の中車長春軌道客車（CRRC）で製造。2017年から馬鞍山線で運行。

東鉄線

香港東鉄線現代ロテム電車（R-Train）: 2022年運行開始。これにより、既存のメトロキャメル電車は引退、SP1900形は屯馬線へ転属。

駅一覧

沙中線の駅一覧は以下の通りです。

（駅名リストは割愛。背景色が■かつ斜字体で示す駅は未開業の駅）

建設を巡る問題点

沙中線の建設においては、以下の問題が発生しました。

建設費の増大: 当初、建設予算は714億香港ドルでしたが、建設コストや路線の変更により、最終的に971億香港ドルまで増額しました。
構造物の手抜き工事: 手抜き工事が発覚し、2018年8月にはMTRのCEOが引責辞任する事態となりました。


沙田至中環線は、香港の交通網において重要な役割を果たしていますが、建設を巡る問題も多く、その過程で様々な課題が浮き彫りになりました。

外部リンク

港鉄沙田至中環線（中国語）
MTR Shatin to Central Link（英語）

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