浜町 (鹿児島市)

鹿児島市浜町

鹿児島県鹿児島市の中央部に位置する浜町は、古くは薩摩国鹿児島郡に属し、鹿児島城下の町として発展しました。現在の郵便番号は892-0812で、2020年10月1日時点での人口は46人、世帯数は31世帯と小規模な地域です。この町は、住居表示が全域で実施されており、かつて存在した向江町も浜町の一部として統合されています。

地理

浜町は稲荷川の下流域に位置し、北には柳町、清水町、祇園之洲町、南には本港新町、小川町、西には上本町が隣接しています。東側は鹿児島湾に面しており、町の中心部を日豊本線と鹿児島本線が南北に走り、鹿児島駅と鹿児島貨物ターミナル駅が所在します。また、国道10号鹿児島北バイパスが町の東部を縦断しており、交通の便が良い地域です。

河川

町内には稲荷川が流れています。

町名の由来

浜町という名前は、鹿児島城の前の海岸を意味する「前の浜」に由来すると考えられています。

歴史

近世

浜町は江戸時代から見られる町名で、当初は鹿児島城下の上町の一部でした。元禄年間に鹿児島城下で頻発した大火をきっかけに、薩摩藩は海岸を埋め立てて海側に町を移す計画を立て、元禄14年8月に埋め立て工事が始まりました。埋め立てられた土地は「新築地」と呼ばれ、その一部が浜町となりました。特に城下町東部の上町に位置する新築地は、祇園前築地や神明前築地とも呼ばれていました。これらの築地に38戸の屋敷ができた時点で、浜町に編入されました。向江町は、1877年の「明治10年丁丑鹿児島略絵図」に初めて記載され、当初は鹿児島府下上町の一部でした。明治初期には、浜町と向江町には武士よりも町人が多く住んでいました。

市制施行以後

1889年（明治22年）に鹿児島市が市制を施行した際、浜町と向江町はそれぞれ鹿児島市の町となりました。1900年には浜町に鹿児島駅が建設されることになり、多くの住民が立ち退きを余儀なくされました。鹿児島駅建設前には、向江町と浜町にはそれぞれ60軒以上の家があったとされています。1901年（明治34年）に鹿児島本線が開通し、浜町に鹿児島駅が設置されました。第二次世界大戦中の1945年（昭和20年）7月27日には、鹿児島大空襲によって鹿児島駅周辺が爆撃され、多くの犠牲者が出ました。1965年（昭和40年）には浜町の一部で住居表示が実施されました。

町名整理以降

1967年（昭和42年）に住居表示の実施に伴い、向江町全域と栄町の一部、柳町、恵美須町の一部が浜町に編入されました。これにより、向江町は町名として消滅しました。1989年（平成元年）には、公有水面埋立地が浜町に編入されました。1993年（平成5年）には、豪雨により甲突川にかかる石橋が流出し、後に石橋記念公園に移設保存されました。

町域の変遷

浜町は、江戸時代から現代に至るまで、周辺地域の変化とともにその姿を変えてきました。

人口

1995年以降の人口推移は以下の通りです。

（データは省略）

文化財

県指定

西田橋
県指定の有形文化財で、甲突川五石橋の一つでした。1846年に肥後の石工によって造られたアーチ式の石橋です。1993年の豪雨後に石橋記念公園に移設保存されました。

施設

公共

かんまちあ
鹿児島市上町ふれあい広場
上町の杜公園
石橋記念公園
石橋記念館

行政

鹿児島港湾合同庁舎
出入国在留管理庁福岡出入国在留管理局鹿児島出張所
厚生労働省福岡検疫所鹿児島検疫所支所
農林水産省植物防疫所鹿児島支所
国土交通省九州地方整備局鹿児島営繕事務所
国土交通省九州運輸局鹿児島運輸支局本庁舎
海上保安庁第十管区海上保安本部鹿児島海上保安部
林野庁九州森林管理局鹿児島森林管理署
国土交通省九州地方整備局鹿児島国道事務所
鹿児島市交通局浜町営業所

小・中学校の学区

浜町に居住する場合の学区については、鹿児島市の定める学校区に準じます。

交通

鉄道

九州旅客鉄道（JR九州）
鹿児島本線
日豊本線
鹿児島駅
日本貨物鉄道（JR貨物）
鹿児島貨物ターミナル駅
鹿児島市交通局
鹿児島市電1系統、2系統
鹿児島駅前電停

道路

一般国道
国道10号（鹿児島北バイパス）
一般県道
鹿児島県道204号鹿児島停車場線

脚注

(脚注の内容は省略)

参考文献

鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅰ』
鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅱ』
南日本新聞『鹿児島市史Ⅳ』
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』
「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県』
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』
有田忠雄、河口貞徳、村田凞、稲葉行雄、村野守治、四本健光、紀野健一郎『鹿児島のおいたち』
木脇栄『かごしま市史こばなし』
鹿児島市「鹿児島市内の指定文化財等一覧表」

関連項目

浜町 (曖昧さ回避)

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