犀川 (長野県)

犀川の概要

犀川（さいがわ）は長野県に位置する信濃川水系の一級河川で、美しい自然環境をもとにして地域文化が育まれてきた河川です。一般に、松本市島内で奈良井川と合流後の下流部から長野市で千曲川と合流するところをまでを指し、上流部は梓川（あずさがわ）として知られています。

地理的特徴

犀川は飛騨山脈の南部、槍ヶ岳（標高3,180メートル）を源流として、上高地を南流し、幾つかの支流を合流させながら流れます。具体的には白骨温泉からの湯川や乗鞍高原からの小大野川を受け入れ、奈川渡（梓湖）で奈川とも合流します。ここまでの流れは主に東南から東北に向きを変えて流れ、松本盆地に進入する際には北流してきた奈良井川とも合流します。この辺りを境界として、上流部を梓川、以降を犀川となるのです。

松本盆地を流れながら、犀川は他の河川ともいくつか合流します。例えば、同じく槍ヶ岳を源流とする高瀬川や、安曇野市内では穂高川や万水川とも合流し、特に犀川白鳥湖では冬に訪れるコハクチョウが見られる場所となっています。生坂村からは比較的北東へ向きを変え、蛇行しながら流れる渓谷は「犀峡」と呼ばれています。

ダムと電力開発

犀川流域にはいくつかのダムが存在し、それぞれ生坂村から長野市にかけて上流から順に生坂ダム、平ダム、水内ダム、笹平ダム、および小田切ダムがあります。これらは東京電力リニューアブルパワーによって管理されている発電専用ダムで、治水機能を期待することは難しいとされています。このため、洪水災害が何度も発生している背景があります。特に1987年や1953年の洪水では多くの被害が出ました。

農業と漁業

犀川の流域では農業や漁業が行われています。特に、犀川漁業協同組合や犀川殖産漁業協同組合が設立され、一般向けに遊漁券も販売されています。これらの組合ではニジマスやブラウントラウトなどをターゲットとしたキャッチアンドリリースの区域も設定しており、釣り人にとっては魅力的な場所となっています。

伝説と文化

犀川エリアには数々の民話があります。例えば、崇神天皇の末裔である仁品王にまつわる物語や、久米路橋にまつわる人柱伝説などが残っています。これらは地域の文化や歴史を知る手がかりとなっており、引き続き百世代にわたる民話を見守っています。

流域の自治体と交通

犀川は長野県内の松本市や安曇野市を流れ、さらに生坂村や大町市、長野市とも接します。また、交通面では国道158号や国道19号といった主要道路が沿っており、鉄道も通っているため、地域のアクセスが良好です。

まとめ

犀川はその美しい自然と歴史的な背景を持つ一級河川として、多くの人々に愛されています。流域では地元文化が根付いており、地域社会への影響は計り知れません。今後もその流れは、周囲の生態系を大切にしつつ、地域の生活に欠かせない存在であり続けるでしょう。

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