登録局

登録局について

登録局は、電波法に定められた無線局の一種で、免許を必要とせずに開設できる無線局です。電波法第4条第4号で「法第27条の21第1項の登録を受けて開設する無線局」と定義されています。ここでいう「法」とは電波法の略称です。

登録の条件

登録を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

1. 適合表示無線設備のみを使用すること。
2. 他の無線局に混信を与えないように運用できる機能を有すること。
3. 定められた区域内で開設すること。

これらの条件を満たすことで、無線局の登録が可能になります。

登録の手続き

登録局を開設するには、総合通信局（沖縄総合通信事務所を含む）に登録を申請し、無線局登録状の交付を受ける必要があります。免許を必要とする無線局と、申請が不要な無線局の中間的な存在と言えるでしょう。

外国籍の者が登録を排除される規定はありません。使用する無線機は技術基準適合証明の対象であり、技適マークの表示が必須です。

登録の権限は総務大臣にありますが、実際には設置場所または常置場所を管轄する総合通信局長に委任されています。

包括登録

周波数と無線設備の規格が同じであれば、包括登録が可能です。この場合、無線局登録状に局数は記載されません。

登録局の種別

登録局には、電波法施行規則第16条に定められたさまざまな種別があります。以下にその一部を挙げます。

空中線電力1W以下のPHSの基地局
空中線電力10mW以下のPHSの中継機能を持つ陸上移動局
920MHz帯構内無線局（移動体識別用に限る）
周波数ホッピング方式の2.4GHz帯構内無線局
5.2GHz帯高出力データ通信システムの基地局
5.2GHz帯高出力データ通信システムの陸上移動中継局
5.2GHz帯無線アクセスシステムの基地局
5.2GHz帯無線アクセスシステムの陸上移動中継局
5.2GHz帯無線アクセスシステムの陸上移動局
5.2GHz帯無線アクセスシステムの携帯基地局
5.2GHz帯無線アクセスシステムの携帯局
920MHz帯陸上移動局（920.5MHz～923.5MHzで次項にあてはまらないもの）
920MHz帯陸上移動局（916.7MHz～920.9MHz）
351MHz帯デジタル簡易無線局

混信防止機能

登録局は、他の無線局に混信を与えないように運用するための機能が義務付けられています。具体的には、以下のような措置が取られています。

PHSの陸上移動局の送信周波数は、基地局から送信される電波によって制御されること。
5GHz帯無線アクセスシステムの陸上移動局または陸上移動中継局の送信周波数は、基地局からの電波によって制御されること。
ホッピング方式以外の構内無線局と簡易無線局は、送信時間制限装置とキャリアセンス機能（他の電波を受信している間は送信不能とする機能）を搭載すること。

また、空中線電力や空中線の利得についても、種別ごとに制限があります。

開設区域

登録局の「開設」とは、無線機を使用できる場所を意味します。移動しない無線局は設置場所が、移動する無線局は移動範囲が開設区域となります。

電波法施行規則第18条第2項により、一部の例外を除き、全国（河川・湖沼を含む陸上）で開設が可能です。

例外となる無線局については総務省告示で規定されており、例えば、351MHz帯デジタル簡易無線局の一部は日本周辺海域でも開設可能です。

旧技術基準の無線設備の使用

過去には、旧技術基準に基づいて認証された無線設備の使用が認められていましたが、技術基準の改正により、使用期限が設けられました。ただし、コロナ禍の影響で、使用期限は「当分の間」延期されています。

操作

登録局の操作に関しては、電波法施行規則第33条に規定された「簡易な操作」の範囲内であれば、無線従事者の資格は必要ありません。例えば、プレストーク方式による無線電話の送受切替操作などがこれに該当します。

ただし、陸上移動中継局や携帯基地局など、一部の無線局では無線従事者による管理が必要です。

沿革

登録局制度は、2005年に電波法に規定されました。その後、さまざまな周波数帯や無線局の種類が登録局の対象に追加され、制度の拡大が図られてきました。

主な沿革として、5GHz帯無線アクセスシステム、PHS基地局、351MHz帯デジタル簡易無線局、920MHz帯無線局などが登録局の対象になったことが挙げられます。

まとめ

登録局は、免許が不要で手軽に利用できる無線局ですが、技術基準や運用ルールを守る必要があります。さまざまな種類の無線局が登録局として利用されており、その用途も多岐にわたります。詳細については、総務省の関連情報を参照してください。

関連情報

免許を要しない無線局
技術基準適合証明

外部リンク

総務省電波利用ホームページ
電波監理の概要 - 無線局開局の手続き・検査
無線局の登録手続き

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