盧坦

盧坦の生涯と業績

盧坦（ろ たん、749年 - 817年）は、唐代の著名な官僚であり軍人であり、字は保衡、本貫は河南府洛陽県にあります。彼はその活躍を通じて、唐の政治や軍事において重要な役割を果たしました。

早年期と経歴の始まり

盧坦は鄭州刺史である盧巒の子供として生まれ、早くから周囲の期待を集めていました。最初に河南県尉に任命され、その後河南尹の杜黄裳からも厚く遇されました。その後、李復が鄭滑節度使として就任すると、盧坦はその下で判官としての役割を果たしました。

李復が病にかかると、その治安を心配する監軍使の薛盈珍が兵変の危険を考慮し、府庫を封印したという緊迫した状況がありました。盧坦は勇気を持ってこの行動を止めるよう薛盈珍に進言しました。彼の行動は冷静さと問題解決能力を示すものでした。

政治的立場と任務

貞元13年（797年）、李復が亡くなると、盧坦は喪を守るために東都洛陽に帰ります。その後、寿安県令という地位につき、次第に庫部員外郎に昇進し、侍御史も兼任しながら、知雑事を担当しました。彼はその後、政府の要職に就くことになるのですが、その間にも数々の重要な局面で意見を述べ、唐の政治に深く関与しました。

元和2年（807年）には、李錡が起こした反乱に関連して、盧坦はその父祖の廟墓を破壊する動きに反対し、淮安王李神通の功績を引き合いに出してその賛同を得ることができました。彼は武元衡が宰相となると、御史中丞に任命され、東都を担当しましたが、その後長安の御史台に戻ることになります。

再三の拒絶と求められる対応

裴均が尚書右僕射に任じられる際には、盧坦は辞退するように求めましたが、裴均はこれを無視しました。盧坦が姚南仲を引用して説得を試みると、裴均は激怒し、盧坦は最終的に罷免され、右庶子に降格されます。その後、宣歙観察使として再度の任務を受けます。

元和5年（810年）には、入朝し、刑部侍郎及び塩鉄転運使となり、その後も戸部侍郎・判度支を歴任します。盧坦はその間、軍事や内政のさまざまな問題についても意見を出し続けました。

晩年と最後

元和8年（813年）、西受降城が黄河の浸食によって破壊されそうになる危機がありました。この際、宰相の李吉甫が兵を天徳故城に移すよう請願しましたが、盧坦はその不便さを認識し、この提案に強く反対しました。彼の意見によって、移転は行われないことになりました。

その後、盧坦は剣南東川節度使に任命され、軍の資源管理に関与しましたが、この行動は多くの批判を受けることとなりました。最終的に元和12年（817年）9月に彼は亡くなり、享年69歳でした。死後には礼部尚書の位を追贈されています。

盧坦の生涯は、唐の政治と軍事の交錯を示すものであり、彼の業績は後世に多くの教訓を残しています。彼の政治判断は時には反発を受けることもありましたが、一貫して国を思う気持ちを持ち続けた点が印象的です。

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