県犬養唐

県犬養 唐（あがたいぬかい の もろこし）

県犬養唐は、奈良時代に活躍した貴族で、名は大唐とも記録されています。生没年は不明ですが、姓は宿禰であり、官位は従五位下と讃岐守を兼ねました。彼の経歴や家族構成について詳しく見ていきましょう。

経歴

唐は、聖武朝の時期に活躍しました。特に神亀3年（726年）には、従六位上から従五位下に叙爵されるという大きな昇進を果たします。その後の記録によると、天平16年（744年）には安積親王が薨去した際の報告で、彼の母親の名が正三位の県犬養宿禰広刀自であるという記述が見られます。また、天平宝字6年（762年）には、広刀自の薨伝においても『讃岐守従五位下の唐の娘』という表記が残されています。

このように、広刀自は唐と直接の繋がりが深い人物でした。しかし、従五位下以上の地位に昇進した記録はなく、彼が讃岐国の国司を務めていたことが唯一の伝承として残っています。唐の任務や業績については具体的な情報が不足していますが、彼が国の政に貢献したことは間違いありません。

官歴

彼の官歴については、古い歴史書『続日本紀』に詳細が示されています。以下にその概要を示します:

• - 時期不詳：従六位上
• - 神亀3年（726年） 正月21日：従五位下
• - 時期不詳：讃岐守

このように、唐の官歴は彼が重要な役割を果たしていたことを示している一方で、その詳細な業績については多くの空白が存在します。

系譜

唐の家族についての情報も限られています。父や母についての記録は残っていないものの、彼には一人の娘がいることが知られています。その娘は、県犬養広刀自であり、聖武天皇の夫人となりました。このように、彼の家族が皇室との関係を持っていたことは、唐の立身出世に影響を与えた可能性があります。

脚注

県犬養唐の情報は、主に『続日本紀』などの古文書に基づいています。それによる評価や記述は今日でも研究されていますが、彼の実際の業績や影響については今後の研究の余地が残されています。

参考文献

• - 『続日本紀2 （新日本古典文学大系14）』 岩波書店、1992年
• - 『続日本紀3 （新日本古典文学大系15）』 岩波書店、1995年
• - 宇治谷孟訳『続日本紀（上）』講談社〈講談社学術文庫〉、1992年
• - 宇治谷孟訳『続日本紀（中）』講談社〈講談社学術文庫〉、1992年
• - 竹内理三・山田英雄・平野邦雄編『日本古代人名辞典』1 - 47頁、吉川弘文館、1958年

このように、県犬養唐という人物は奈良時代の中で重要な地位にありながら、具体的な業績があまり知られていないミステリアスな存在です。彼の生涯や影響についての調査は、古代日本の歴史を更に深く理解するための鍵となるでしょう。

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