神島裕子

神島裕子

神島裕子氏は、1971年生まれの日本の哲学者であり、立命館大学総合心理学部の教授として教鞭を執っています。彼女は、正義論、特にマーサ・ヌスバウムの思想に関する研究で知られています。

人物と経歴

神島氏は、高校卒業後にアメリカへ留学し、インディアナ大学で政治学を専攻しました。その後、ケンブリッジ大学で社会政治学の修士号を取得。帰国後、東京大学法学部第3類（政治コース）に学士入学し、卒業後は東京大学大学院総合文化研究科国際社会学専攻に進み、博士号を取得しました。

彼女は、自らの多様な選択肢を模索する中で、経済開発よりも社会正義の重要性を認識し、正義に関する研究に深く関わるようになりました。

2006年9月から2010年3月まで早稲田大学国際教養学部助手、2011年4月から2016年まで早稲田大学商学部助教授を経て、2016年4月より立命館大学総合心理学部教授を務めています。

河野哲也氏は、神島氏を「日本でもっともヌスバウムの思想に精通した専門家」と評しています。

著作

『マーサ・ヌスバウム：人間性涵養の哲学』（中公選書、2013年）
『ポスト・ロールズの正義論：ポッゲ・セン・ヌスバウム』（ミネルヴァ書房、2015年）
『正義とは何か：現代政治哲学の6つの視点』（中公新書、2018年）
『逆境に克つ力 親ガチャを乗り越える哲学』（小学館新書、2023年、宮口幸治氏との共著）

翻訳

ジョン・ロールズ『正義論 改訂版』（川本隆史,福間聡共訳、紀伊國屋書店、2010）
M・C・ヌスバウム『正義のフロンティア 障碍者・外国人・動物という境界を越えて』（法政大学出版局、2012）
L.ドイヨル, I.ゴフ『必要の理論』（勁草書房、2014、馬嶋裕, 山森亮 監訳、遠藤環共訳）
オノラ・オニール『正義の境界』（みすず書房、2016）
ローレンス・ハミルトン『アマルティア・センの思想 :政治的リアリズムからの批判的考察』（みすず書房、2021）
ジョン・ロールズ『政治的リベラリズム』（福間聡共訳、筑摩書房、2022）

神島氏の研究は、現代社会における正義のあり方を深く考察し、社会における倫理的な問題に対する議論に貢献しています。彼女の著作や翻訳は、哲学、政治学、社会学などの分野に関心を持つ読者にとって、貴重な情報源となっています。

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