竹内家

竹内家：清和源氏から子爵家へ至る歴史

竹内家は、清和源氏平賀氏を起源とする由緒ある家系です。公家としての家格は半家、華族としては子爵家に列せられました。その歴史は、河内源氏傍流の信濃源氏平賀氏の一族、大内惟信の系統である竹内信治・氏治父子から始まります。彼らは弓術、笙、和歌を家業としていました。

久我家の諸大夫であった氏治の子孫、竹内季治は、正三位大膳大夫に上り詰めました。足利義輝将軍の執奏により、竹内家は堂上家に加えられる栄誉に浴します。しかし、季治は織田信長について「熟したイチジクの如く木より地上に落ちるだろう」と予言めいた発言をしたことから、信長の怒りを買い、元亀2年（1571年）9月18日、近江永原にて斬首されました。この出来事は、竹内家の歴史に暗い影を落とす出来事となりました。

竹内惟庸は冷泉派の歌人で、その歌の才能は広く知れ渡っていました。歌道の名人として名を馳せ、その後の継嗣は冷泉家一門の藤谷家からの養子が続き、竹内家は冷泉派和歌の家としてその伝統を受け継いでいきました。

竹内家の極位極官は正三位非参議でしたが、惟庸の祖父である孝治、惟庸、そして惟永は、特に従二位に叙せられています。江戸時代の家禄は187石でした。

明治維新後、明治2年（1869年）6月17日（7月25日）の公家・大名家統合、華族制度成立により、竹内家は公家として華族に列せられました。そして、明治17年（1884年）7月7日の華族令施行、五爵制導入に伴い、大納言直任の例がない旧堂上家であったことから、治則が子爵に叙せられました。

このように、竹内家は源氏の一族としての誇り高い歴史を持ちながらも、時代の変遷とともに華族制度という新たな枠組みの中で、その地位を確立していったのです。織田信長との因縁、冷泉派和歌との繋がり、そして子爵位への叙位など、その歴史は様々なドラマチックな出来事に彩られています。 これらの出来事は、日本の歴史、特に公家や華族制度、そして和歌の世界を理解する上で、重要な一端を担っていると言えるでしょう。

系図

（系図はテキストでは表現できないため、図表や画像を参照ください。）

参考文献

浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』リブロポート、1994年
小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社、2006年
橋本政宣編『公家事典』吉川弘文館、2010年
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』下巻、霞会館、1996年
* 近藤敏喬編『宮廷公家系図集覧』東京堂出版、1994年

これらの文献は、竹内家に関するより詳細な情報を得る上で役立つでしょう。

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