細川ちか子

細川ちか子について

細川ちか子（ほそかわ ちかこ）は、日本の著名な女優で、彼女の美貌と演技力で新劇の世界に名を刻みました。生まれは1905年12月31日、東京市麹町区内幸町。香蘭女学校を卒業後、1925年に小山内薫たちが創設した築地小劇場に入団し、新劇界にその名を馳せます。

演劇キャリアの始まり

彼女は初舞台となる『各人各説』で、伏見直江らと共演し、美しさで観客を魅了しました。1929年には新築地劇団の結成に参加、その後は新協劇団を経て、1940年の強制解散まで数々の舞台で活躍しました。この期間、彼女の才能は多くの観客に認識され、女優としての基盤が築かれました。

映画への進出

新協劇団に所属していた頃から、細川はP.C.L.映画製作所に専属女優として参加し、映画でもその名を広めました。成瀬巳喜男監督の『妻よ薔薇のやうに』は彼女の代表作の一つであり、すべてトーキー映画での出演が特徴的です。戦後も映画界で活躍し、日活や大映と提携し、多くの名作に出演しました。例えば、山本富士子と共演した『金色夜叉』や『晩菊』などは今でも有名です。

多彩な舞台活動

1957年の『第8回NHK紅白歌合戦』では審査委員を務めるなど、テレビでも存在感を示しました。また、1967年には評論新社から『こんちわァ社長さん　細川ちか子・財界50人対談』を著し、作家としても知られています。1975年には、『セールスマンの死』のリンダ役で紀伊國屋演劇賞を受賞し、舞台女優としての地位を確立しました。

私生活における人間関係

家庭環境は、父親が弁護士という恵まれたものでした。2歳年上の兄は映画監督の横田豊秋（後に映画俳優の宇留木浩）です。新劇俳優になる前に結婚し、一人の娘を持ちましたが、1927年に丸山定夫と共演したことで、夫と離婚し、丸山と恋愛関係に入ります。細川は病気に倒れた際、丸山が治療費を捻出するために他の劇団に出演することもありましたが、最終的には別れました。

彼女の死と遺作

1976年3月20日、細川は閉塞性黄疸のため70歳でこの世を去りました。彼女の遺作は、同年末まで放送された大河ドラマ『元禄太平記』です。

まとめ

細川ちか子は、新劇界の重鎮として時代を画した女優でした。彼女の舞台と映画における業績は、今でも多くの人々に影響を与え続けています。日本の演劇と映画史において、彼女の存在は重要なものであると言えるでしょう。

もう一度検索