若林啓史

若林啓史（わかばやし ひろふみ）

プロフィール

若林啓史氏は、1963年生まれの日本の外交官であり、現在は東北大学大学院法学研究科の教授を務めています。福岡県北九州市門司区で生まれ、1986年に東京大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。外交官として中東地域を中心に豊富な経験を持ち、その専門知識と卓越した語学力で、国際舞台で活躍しています。

外交官としてのキャリア

外務省入省後、若林氏はアラビア語研修（1987年-1989年シリア、1989年-1990年イギリスオックスフォード大学）を経て、1990年に在イラク日本国大使館、1991年には在ヨルダン日本国大使館に勤務しました。その後、2001年には山梨県警察本部警務部長を務めるなど、幅広い分野での経験を積んでいます。

2003年には在イラン日本国大使館参事官、2006年には内閣府国際平和協力本部事務局参事官、2010年には在シリア日本国大使館公使、2013年には在オマーン日本国大使館公使、そして2015年には再び在イラン日本国大使館公使として、中東地域における日本の外交活動に尽力しました。

これらの勤務経験を通して、若林氏は中東地域の政治、経済、社会情勢に精通しており、その専門知識は、国際関係の分析や外交政策の立案において重要な役割を果たしています。

研究者としての活動

2016年、若林氏は東北大学大学院法学研究科の教授に就任し、後進の指導にあたっています。2019年からは同大学院の客員教授も兼任しています。外交官としての実務経験に加え、研究者としての深い知識と分析力を持ち合わせており、国際関係論や中東地域研究の分野で多くの貢献をしています。

2003年には、著書『聖像画論争とイスラーム』で第1回パピルス賞を受賞しました。この著作は、イスラーム世界における宗教と政治の関係について深く掘り下げたもので、学術的にも高い評価を受けています。また、2016年には『2011年以降の中東情勢をめぐって : 座談会・若林啓史氏に聞く : サイクス・ピコ協定100周年に寄せて』、2019年には『シリアの悲嘆 : キリスト教徒虐殺事件一八六〇年』を出版するなど、精力的な執筆活動も行っています。

同期入省の外交官

若林氏と同期で外務省に入省した外交官には、以下のような人物がいます。

石川浩司（22年シンガポール大使、20年官房長、19年南部アジア部長）
岩間公典（22年バングラデシュ大使、20年デュッセルドルフ総領事）
牛尾滋（22年南アフリカ大使、19年ポルトガル大使、18年アフリカ部長）
宇山智哉（21年WTO事務局長上級補佐官）
大鷹正人（24年タイ大使、20年ハンガリー大使、19年外務報道官）
片江学巳（23年ルーマニア大使、20年瀋陽総領事）
河原節子（22年デュッセルドルフ総領事、21年公務員研修所副所長、18年フランクフルト総領事）
木村徹也（22年東ティモール大使、20年国連日本政府代表部大使、17年ミュンヘン総領事）
四方敬之（21年内閣広報官、20年外務省経済局長）
進藤雄介（21年在デトロイト日本国総領事、18年パキスタン公使、15年軍縮会議公使）
鈴木量博（23年オーストラリア大使、20年トルコ大使、18年北米局長）
中村安志（09年中南米局南米課課長補佐）
久島直人（22年中曾根康弘世界平和研究所、20年国際平和協力本部事務局長）
淵上隆（14年ドミニカ共和国大使）
三上正裕（22年ベルギー、北大西洋条約機構日本政府代表部大使、19年カンボジア大使、17年国際法局長）
道井緑一郎（23年フィジー大使）
南博之（24年特命全権大使（国際テロ対策・組織犯罪対策協力担当）、20年コンゴ民主共和国大使）
[山田重夫]]（23年駐米大使、21年外務審議官]、19年[[総合外交政策局長）
吉田朋之（23年日本国際問題研究所所長、20年外務報道官、19年中南米局長、17年軍縮不拡散・科学部長）

これらの同期入省の外交官たちも、各分野で要職を歴任しており、日本の外交を支える重要な存在となっています。

主な著書

『聖像画論争とイスラーム』 知泉書館 2003年
『2011年以降の中東情勢をめぐって : 座談会・若林啓史氏に聞く : サイクス・ピコ協定100周年に寄せて』（共著）関記念財団 2016年
『シリアの悲嘆 : キリスト教徒虐殺事件一八六〇年』 知泉書館 2019年


若林啓史氏は、外交官としての豊富な経験と研究者としての深い知識を兼ね備えた、現代日本を代表する知性の一人と言えるでしょう。

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