蔵多山

蔵多山（くらたやま）

蔵多山は、鹿児島県南さつま市と枕崎市の境界付近に位置する、標高475.4メートルの山です。揖宿山地に属し、その豊かな自然と歴史的背景が特徴です。

概要

山体の多くはスギ、ヒノキ、マツなどの人工林に覆われていますが、山頂付近にはシイ、イスノキ、クロキといった天然林も残っています。地質的には、古第三紀に海底に堆積した四万十層群に花崗岩が貫入してできたホルンフェルスが主体で、このホルンフェルスは「蔵多石」として知られています。かつて蔵多山北部では砂鉄が産出され製鉄が行われており、南部には鹿篭金山という金の鉱山がありました。中世には、重要な港であった坊津と鹿児島城を結ぶ街道が山中を通り、物資を保管するための蔵が数多く建てられたことから「蔵置山」とも呼ばれていたそうです。

枕崎テレビ・FM中継局

枕崎市側の山頂には、鹿児島県内のテレビ局とFMラジオ放送局の中継局が設置されており、南薩地方の基幹中継局としての役割を果たしています。この中継局は「枕崎中継局」として広く知られています。

地上デジタルテレビジョン放送送信設備

枕崎市東鹿篭3648に位置するこの中継局は、鹿児島県内初の地上デジタル放送中継局として、2007年10月1日に開局しました。鹿屋中継局、阿久根中継局、蒲生中継局とともに、県内の地上デジタル放送の普及に貢献しています。開局に先立ち、同年7月30日に総務省九州総合通信局から放送予備免許が交付され、8月2日から試験電波の発信、9月19日15時から試験放送が実施されました。

MBC（南日本[[放送]]）とKKB（鹿児島放送）は、紫原の鹿児島本局から木床中継基地を経由して電波を受信し、中継しています。MBCの中継局はアナログ中継局を継続使用しており、送信アンテナは2007年7月17日に設置されました。MBCの電波は、種子島中継局や南種子中継局にも中継され、南種子中継局からはさらに奄美群島方面へも伝送されています。遠く離れたトカラ列島の口之島でも受信されていた時期がありましたが、受信状況が不安定であったため、2011年度中に中之島[[中継局]]に受信対象が切り替えられました。

地上デジタル放送の218chでは、番組表データが提供されており、これは物理チャンネル20chのMBCの放送波で送信されています。受信機のチャンネル順では、KTS（地上デジタル081chおよび082ch）の後に位置しています。

アナログテレビ放送送信設備

かつて、蔵多山にはすべてのアナログテレビ放送局の中継局が存在しました。MBCは1964年10月1日、KTS（鹿児島テレビ放送）は1970年3月28日、KKBは1982年10月1日、KYT（鹿児島読売テレビ）は1994年4月1日にそれぞれ開局しました。しかし、これらアナログ中継局は2011年7月24日にすべて廃止されました。特にKTSの中継局は、蒲生中継局からの電波を離島方面の中継局に伝送する重要な役割を担っていました。

FMラジオ放送送信設備

蔵多山には、FMラジオ放送局の中継局も設置されています。エフエム鹿児島は、南薩方面（いちき串木野市以南）、種子島の西半分、屋久島の北側（旧上屋久町）、そして甑島列島を放送エリアとしています。MBCラジオはFM補完[[中継局]]として2015年10月14日に免許が付与され、11月1日から本放送を開始しました。NHK-FMとエフエム鹿児島のERP（実効輻射電力）は、以前は両局とも130Wでしたが、2015年時点ではNHK-FMが140W、エフエム鹿児島が125Wに変更されています。

参考文献

九州総合通信局, 「鹿児島県内の地上デジタルテレビジョン放送局に予備免許 〜鹿屋、枕崎、阿久根及び蒲生のデジタル中継局　本年10月1日開局予定〜」, 2007年7月30日.
九州総合通信局・鹿児島地上デジタル放送推進協議会, 「鹿児島県内の地上デジタル放送の試験放送開始 〜一般のご家庭で受信可能な試験放送を9月19日から順次開始〜」, 2007年9月19日.
総務省, 無線局等情報検索 (デジタルテレビ・アナログテレビは2008年2月閲覧時点、FMラジオは2015年11月16日閲覧時点のデータを使用).
南日本[[放送]], 『MBC51〜60年の軌跡 〜地域メディアとして〜』, 2014年.

関連項目

鹿児島親局テレビ・FM放送所 - 鹿児島県のテレビ局・FMラジオ局の親局に関する説明。
隼人ラジオ放送所 - 鹿児島県のAMラジオ局の親局に関する説明。

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