藤原実明

藤原実明

藤原 実明（ふじわら の さねあきら）は、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけての公卿で、藤原北家閑院流の出身です。父は権大納言を務めた藤原公通。最終的な官位は従二位・参議にまで昇りました。

生涯

実明は、応保3年（1163年）に従五位下に叙爵したのが始まりで、永万2年（1166年）には侍従に任ぜられました。その後、仁安3年（1168年）に従五位上、嘉応2年（1170年）には土佐介を兼任するなど、着実に昇進を重ねていきます。

承安3年（1173年）には正五位下に叙せられ、治承3年（1179年）には右近衛少将に任じられました。治承4年（1180年）には周防介も兼任しています。養和元年11月（1182年1月）には従四位下に進み、寿永元年（1182年）には従四位上に叙せられました。寿永2年（1183年）には昇殿を許され、後白河法皇から紀伊国日高郡の荘園である高家荘の預職に補されています。寿永3年（1184年）には正四位下・美濃守に叙任されました。

元暦2年（1185年）正月には、藤原季範の木工頭任官に伴い備前守に任じられ、6月には源雅賢の解官により播磨守に任ぜられました。文治2年12月（1187年1月）には右近衛中将に転じ、建久2年（1191年）には蔵人頭に補任。建久4年12月（1194年1月）には参議に任ぜられ、公卿の仲間入りを果たしました。建久5年（1194年）には備後権守を兼任。建久6年（1195年）には兄である実宗から譲られて従三位に叙せられています。

建久10年（1199年）には正三位・伊予権守に叙任されました。正治2年（1200年）には参議を辞退し、民部卿に遷任。元久2年（1205年）には民部卿を辞任し、従二位に叙せられました。承元3年（1209年）に出家し、貞応2年（1223年）8月16日、71歳で亡くなりました。

官歴

応保3年（1163年）正月5日：従五位下
永万2年（1166年）8月21日：侍従
仁安3年（1168年）正月6日：従五位上
嘉応2年（1170年）正月18日：土佐介兼任
承安3年（1173年）正月6日：正五位下
治承3年（1179年）10月10日：右近衛少将
治承4年（1180年）正月28日：周防介兼任
養和元年（1182年）11月28日：従四位下
寿永元年（1182年）11月28日：従四位上
寿永2年（1183年）8月20日：昇殿
寿永3年（1184年）正月6日：正四位下、9月18日：美濃守兼任
元暦2年（1185年）正月20日：備前守、6月29日：播磨守兼任
文治2年（1187年）12月15日：右近衛中将
建久2年（1191年）10月26日：蔵人頭
建久4年（1194年）12月9日：参議
建久5年（1194年）正月30日：備後権守兼任
建久6年（1195年）4月7日：従三位
建久10年（1199年）正月7日：正三位、3月23日：伊予権守兼任
正治2年（1200年）4月1日：民部卿
元久2年（1205年）正月5日：従二位
承元3年（1209年）7月7日：出家
貞応2年（1223年）8月16日：薨去

系譜

父：藤原公通
母：藤原通基の娘
妻：玄修の娘
子：藤原公雅
* その他：藤原公綱、明暹、明辨、公遍、公縁、公真

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