藤原忠隆

藤原忠隆

藤原忠隆（ふじわら の ただたか）は、平安時代後期の公卿です。藤原北家中関白家、非参議・藤原基隆の長男として生まれました。最終的な官位は従三位・非参議です。

生涯

鳥羽院政期において、院庁の年預を務めるなど、院近臣として重きをなしました。政治的な手腕だけでなく、鷹狩や馬術を好むなど、武芸にも秀でており、平忠盛をはじめとする武士たちとも親交がありました。

信西は『本朝世紀』の中で、忠隆について「数国の刺史を経て家は富み財は多い。生まれつき鷹や犬を好み、人のために施しをすることを好み、その報いを望まない。世間は、その態度に心服している」と記し、その人物としての大きさを賞賛しています。

忠隆の武を重んじる性質は、四男である藤原信頼へと受け継がれました。信頼は、後年、平治の乱を引き起こし、その中心人物として歴史に名を残すことになります。

官歴

天永2年（1111年）：丹波守
永久2年（1114年）：従五位上
永久4年（1116年）：右兵衛佐
元永元年（1118年）：但馬守、正五位下
保安3年（1122年）：右近衛少将、左近衛少将
保安5年（1124年）：従四位下
大治元年（1126年）：従四位上、備中守
大治2年（1127年）：左近衛少将を辞す
大治3年（1128年）：正四位下、大膳大夫
天承元年（1131年）：伊予守
保延5年（1139年）：播磨守
永治元年（1141年）：伊予守再任、皇后宮亮
康治2年（1143年）：大膳大夫を辞す
天養2年（1145年）：内蔵頭、正四位上
久安4年（1148年）：従三位・大蔵卿
久安5年（1149年）：皇后宮権大夫、美作権守

系譜

父：藤原基隆
母：藤原長忠の娘
妻：藤原栄子 - 藤原顕隆の娘、典侍
男子：藤原隆教
妻：藤原季孝の娘
男子：藤原基成
妻：藤原公子 - 藤原顕頼の娘
男子：藤原信頼（1133年-1159年）
男子：藤原家頼
男子：藤原信説
女子：近衛基実室
生母不明の子女
男子：藤原俊成
男子：藤原信家
男子：尋忠
女子：藤原隆季室

藤原忠隆は、政治家としてだけでなく、文化人、そして武人としても多才な人物でした。その息子である藤原信頼が起こした平治の乱は、平安時代の政治史における大きな転換点となり、忠隆の血筋は歴史に深く刻まれています。

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