西門前 (上尾市)

西門前（にしもんぜん）

西門前は、埼玉県上尾市に位置する大字です。上尾市の北部に位置し、主に大宮台地上に広がっています。かつては農業地域でしたが、宅地化が進み、現在は住宅地と農地が混在する地域となっています。

地理

西門前は、上尾市北部の主に大宮台地上に位置しています。地区の西部には芝川が流れていますが、現在は暗渠化されています。周辺の地域との境界は複雑に入り組んでおり、飛地も多く存在します。これは、かつての入会地の名残です。地区の東側は菅谷、南側は上平中央や南、西側は久保、北側は上や南と隣接しています。

歴史

西門前は、江戸時代には武蔵国足立郡に属する門前村でした。村の名前は、正応年間に開山された少林寺の門前町として発展したことに由来します。1879年（明治12年）に北足立郡に属することになった際、郡内に同名の村が存在したため、西門前村に改称されました。

歴史年表

1590年（天正18年）：旗本西尾氏の知行地となる。
正保年間（1645年〜1648年）：旗本伊藤氏および旗本松下氏の相給地となる。少林寺に寺領10石が与えられる。
1806年（文化3年）：少林寺の本堂などが火災で焼失。
1868年（慶応4年）：武蔵知県事の管轄となる。
1869年（明治2年）：大宮県、浦和県の管轄となる。
1871年（明治4年）：埼玉県に編入される。
1879年（明治12年）：北足立郡西門前村となる。
1889年（明治22年）：町村制施行により上平村の大字西門前となる。
1955年（昭和30年）：上尾町に合併し、上尾町の大字となる。
1958年（昭和33年）：上尾市制施行により、上尾市の大字となる。
1966年（昭和41年）：埼玉総合食品卸売市場が完成。
1995年（平成7年）：少林寺山門が市の有形文化財に指定。上尾税務署の新庁舎が落成。
2009年（平成21年）：西門前の大山灯籠行事が市の無形民俗文化財に指定。
2014年（平成26年）：上平中央が成立し、一部区域が分離。

文化

西門前には、歴史的な寺院である少林寺があり、市内最古の寺院として知られています。また、「西門前の大山灯籠行事」は、上尾市の無形民俗文化財に指定されており、地域に根ざした伝統文化として大切にされています。

現代の西門前

現在、西門前は住宅地と農地が混在する地域であり、JAさいたま上平支店や上尾市立上平小学校などの施設があります。また、国道17号大宮バイパスや埼玉県道87号上尾久喜線（べにばな通り）が通り、交通の便も比較的良い地域です。上尾駅からの路線バスや、上尾市コミュニティバス「ぐるっとくん」も利用できます。

西門前は、歴史と文化が息づく、住みやすい地域として、上尾市の中でも独自の魅力を放っています。

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