計点制ルール

計点制ルールとは

計点制ルールは、囲碁のルールの一つで、従来のルールに合理的な改良を加えたものです。台湾の実業家であり、囲碁ルール研究家でもあった応昌期が考案したことから、応昌期ルール（応氏ルール）とも呼ばれています。また、台湾で主に使われていることから台湾ルール、命名者のピンインの英略表記からSSTルールとも呼ばれます。

このルールは、いわゆる中国ルールを元にしており、無勝負が生じないこと、判例による判断を不要として全て実戦的に解決することなどを目指して作られました。

制定と採用

応昌期は1952年に囲碁ルール改良を目指し、1973年にルールを発表しました。1977年には中国囲棋会で採用され、その後も改良を重ね、1988年に完成しました。

応昌期自身や応昌期囲棋教育基金は、このルールの普及に尽力し、基金や台湾棋院で行われる棋戦（応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦や世界青少年囲碁選手権大会など）に採用されています。また、このルールで無勝負が生じた場合には、対局者それぞれに5万ドルの賞金を出すというユニークな規定も設けられています。

ヨーロッパ[[囲碁連盟]]では、計点制ルールの簡易版が採用されています。

囲碁の国際普及やオリンピック種目化などのためには、国際統一ルールの制定が囲碁界の課題となっています。その議論の中で、計点制ルールはその合理性が評価される一方で、文化的背景や対局の簡便性について考慮の余地があると考えられています。

特徴

基本的な考え方

勝敗の判定は、中国ルールと同様に、地の大きさと生きている石の数で決まります。

同形反復の禁止

通常のコウ（劫）だけでなく、3コウ、循環劫、長生などによる同型反復を禁止しており、日本ルールのように無勝負になることはありません。これにより、複雑な状況下でも明確な勝敗が決まります。

自殺手

同形反復に抵触しない限り、自殺手は禁止されていません。例えば、従来ルールでは禁止されるような、自分の石を相手の石で囲まれた場所に打つ手も、計点制ルールでは着手可能です。これは、コウ材として利用したり、大ナカ小ナカによる攻め合いの結果を変えたりする可能性があります。

ただし、同型反復禁止の制約により、石1個の自殺手は禁止となります。

パスと終局

パスは認められており、双方が連続してパスをした場合に終局となります。対局開始時に、独自の碁笥を用いて黒白180個ずつの碁石を確認しておきます。終局時には、これらの石を盤面の双方の地中に埋め、残った空点の数で勝敗を判定します。

コミとニギリ

コミは7目半（規則上は「黒が8目のコミを出し、同点の場合は黒の勝利とする」と定められています）。

持ち時間には「基本時限」と「延長時限」が定められており、基本時限を超えて使用すると2目が差し引かれます。延長時限は基本時限の6分の1で、3回まで使用できます。それを超えた場合は負けとなります。

先後を決める際は、ニギリで当てた方が先手番か後手番を選択できます。

出典

参考文献

三堀将「ここがちがう中国ルール」（『圍碁』誌1996年5月号）

関連項目

囲碁のルール
純碁
ポン抜き[[囲碁]]
切り賃

外部リンク

应氏计点制围棋规则（応氏計点制囲棋規則） - TOM.COM （中国語）

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