郭慶

郭慶（かく けい）

郭慶（生没年不詳）は、五胡十六国時代の前秦に仕えた武将です。游撃将軍として、前秦の拡大に大きく貢献しました。

生涯

郭慶は前秦に仕え、游撃将軍に任じられました。その武勇と知略をもって、数々の戦で功績を挙げました。

前燕征伐

建元6年（370年）5月、尚書令の王猛による前燕征伐に従軍しました。8月には、王猛、鎮南将軍の楊安、虎牙将軍の張蚝らと共に晋陽を攻略。

同年10月、潞川において前燕の総大将である慕容評と対峙した際、王猛の命により精鋭5千を率いて出撃。夜闇に乗じて間道から敵陣営の背後に回り込み、山の傍から火を放つという奇策を実行しました。この火計は敵の輜重を焼き尽くし、その炎は遠く離れた鄴からも見えるほどであったと伝えられています。

同年11月、前秦軍が鄴を攻略すると、前燕の君主である慕容暐は逃走を図りました。郭慶は騎兵を率いてこれを追撃し、高陽において配下の巨武が慕容暐を捕縛。郭慶は慕容暐を苻堅のもとへ送り届けました。さらに、高句麗へ逃亡した慕容評を追跡し、龍城まで到達。高句麗は慕容評を捕え、郭慶に引き渡しました。また、配下の朱嶷を派遣して宜都王の慕容桓を追撃させ、遼東においてこれを大いに破りました。慕容桓は部下を見捨てて単騎で逃走しましたが、朱嶷はこれを捕らえて斬り殺しました。これらの功績により、諸州の牧・守や六夷の軍などは皆、前秦へ降伏しました。

幽州刺史

一連の功績により、郭慶は持節・都督幽州諸軍事・揚武将軍・幽州刺史に任じられ、襄城侯に封じられ、薊を鎮守することとなりました。幽州における軍事と行政を 맡아보면서、地域の安定に尽力しました。

代への侵攻

建元12年（376年）10月、北討大将軍の苻洛が幽州・冀州の兵10万を率いて代へ侵攻すると、郭慶は右禁将軍に任じられ、軍を率いてこれに呼応しました。12月、前秦軍は代の併呑を成し遂げ、その勢力をさらに拡大しました。

郭慶の晩年については記録が残っていませんが、前秦の拡大に大きく貢献した武将として、その名は歴史に刻まれています。

参考文献

『晋書』巻113
『資治通鑑』巻102 - 巻104
* 『十六国春秋』前秦録

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