鍋島清房

鍋島清房（なべしま きよふさ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、龍造寺氏の家臣であり、鍋島氏の5代目当主です。

生涯

永正10年（1513年）に、鍋島清久の子として誕生しました。早くから龍造寺家兼に仕え、父である清久や兄の清泰と共に、家兼の重臣として活躍しました。享禄3年（1530年）の田手畷の戦いでは、父や野田清孝と共に赤熊（しゃぐま）武者を率いて大内氏を破ることに貢献しました。この功績により、清房は家兼の嫡男である龍造寺家純の娘婿となることを許されました。また、家兼からの信頼も厚く、特に家兼が馬場頼周に追われて筑後国の蒲池鑑盛の下へ逃れた後、挙兵した際には、清房は少弐氏が頼周を支援できないように一揆を煽動するという知略を見せています。

天文15年（1546年）に龍造寺隆信が還俗し、水ヶ江龍造寺家の当主となった際、清房はこの相続に反対したとされています。相続後も難色を示したため、龍造寺本家の家老である龍造寺家宗によって諭されています。しかし、天文17年（1548年）に隆信が龍造寺本家を継ぐ際には、その後見役を務めました。

また、清房は、天文17年（1548年）8月11日に家純の娘である正室・桃源院が亡くなった後、弘治2年（1556年）に隆信の母である慶誾尼が押し掛ける形で後室に入っています。

後に、清房は子の直茂に家督を譲り隠居しました。天正12年（1584年）の沖田畷の戦いの際には、村中城の留守を守り、子の直茂が生還したことを知って密かに喜んだと伝えられています。天正13年8月26日に死去、享年74歳でした。

天文21年（1552年）には、高伝寺を創建しています。この寺は後に鍋島氏の菩提寺となりました。

清房は、戦国時代の激しい動乱の中で、龍造寺氏を支え、鍋島氏の礎を築いた人物として歴史に名を残しています。その知略と行動力は、多くの人々に影響を与えたと考えられています。

脚注

吉永正春著『九州戦国の女たち』（海鳥社 2010年 ISBN 978-4-87415-794-7）
『北肥戦誌』
* 川副博著 日本の武将45『龍造寺隆信』（人物往来社 1967年）

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