陸奥嵐幸雄

陸奥嵐幸雄（むつあらし ゆきお）

プロフィール

陸奥嵐幸雄は、1943年1月12日に青森県上北郡甲地村（現在の東北町）で生まれ、2002年7月30日に脳梗塞で亡くなった元大相撲力士です。本名は南幸雄。宮城野部屋に所属し、最高位は東関脇でした。身長177cm、体重113kgと、当時としては比較的恵まれた体格でした。得意手は左四つ、吊り、河津掛け。

生い立ちと入門

農家の四男として生まれた陸奥嵐は、幼少の頃から腕白で、学業や運動も得意でした。中学卒業後、父の反対を押し切って上京し、ガソリンスタンドや運送業など様々な職を経験しました。しかし、生来の気の強さと短気さから、なかなか仕事が長続きしませんでした。1960年の秋には交通事故で重傷を負い帰郷。その後、再び上京しトラック運転手となります。その職場が宮城野部屋の向かいにあり、配送の度に、その体格から「強そうなアンちゃん」と部屋の力士たちの間で話題になっていました。ある日、荷物を降ろしていると、幕下の仙葉に大相撲入りを勧められ、ほぼ即決で入門を決意しました。

1961年9月場所、元横綱・吉葉山が創設した宮城野部屋から初土俵を踏みました。

力士としての活躍

1965年11月場所に十両に昇進、1967年3月場所には新入幕を果たし、その場所で13勝2敗という好成績を挙げ、敢闘賞を受賞しました。これは新入幕の最多勝記録です。1968年7月場所では12勝3敗の成績で敢闘賞と技能賞をダブル受賞。関脇には1場所のみ在位しましたが、奇手「河津掛け」や、顎を上げたまま強引に吊り出すという、型破りな取り口で観客を沸かせ、「東北の暴れん坊」として人気を博しました。

1967年9月場所、新三役（小結）として横綱大鵬に初挑戦。左四つでがっぷりと組み合い、先に大鵬を吊り上げましたが、逆に吊り出されて敗れました。しかし、その後は大鵬から3勝を上げています（うち1つは不戦勝）。

私生活と引退

私生活でもその「暴れん坊」ぶりを発揮しており、1976年には暴力団組長との懇談中に口論となり、組員が天井に発砲するという事件に同席したため、減給処分を受けました。また、大変な酒豪で、酒が好きなだけ飲めるという話が入門を決めた理由の一つだったと言われています。

なぜか富士櫻に弱く、関脇同士でありながら11戦全敗でした。

1976年3月場所限りで引退し、年寄安治川を襲名。友綱部屋に移籍した後、独立して安治川部屋を創設しました。しかし、健康上の問題から1993年4月に大島部屋の元横綱・旭富士に名跡と部屋を譲り、廃業しました。廃業直後に、部屋の古参の幕下力士であった陸奥北海が十両に昇進し、「俺がいなくなった途端に力を出しやがって」と苦笑していたという逸話が残っています。

その後

2002年7月30日、脳梗塞のため死去しました。

主な成績

通算成績：557勝551敗5休 勝率.503
幕内成績：375勝417敗3休 勝率.473
現役在位：88場所
幕内在位：53場所
三役在位：4場所（関脇1場所、小結3場所）
三賞：5回
敢闘賞：4回（1967年3月場所、1968年7月場所、1970年3月場所、1971年1月場所）
技能賞：1回（1968年7月場所）
金星：2個（大鵬1個、柏戸1個）
各段優勝
十両優勝：1回（1967年1月場所）
幕下優勝：1回（1965年9月場所）

場所別成績

[場所別成績の表は省略]

幕内対戦成績

[幕内対戦成績の表は省略]

改名歴

南
陸奥嵐（1963年1月場所から）

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