飛水峡

飛水峡（ひすいきょう）

飛水峡は、岐阜県加茂郡七宗町から加茂郡白川町にかけて、飛騨川が形成した全長約12キロメートルの峡[[谷]]です。飛騨木曽川国定公園内に位置し、その美しい景観は多くの人々を魅了しています。

概要

飛水峡は、豊かな自然と独特な地形が特徴です。特に、上麻生駅から上流約2キロメートルの区間には、川底の岩盤に数多くの甌穴（ポットホール）が見られ、「飛水峡の甌穴群」として国の天然記念物に指定されています。この甌穴群は、「ロックガーデン」とも呼ばれ、その規模と美しさは日本を代表するものです。また、初夏には岩肌に岩躑躅（イワツツジ）が咲き誇り、峡[[谷]]を彩ります。

この地域一帯は、「美濃帯・上麻生ユニット」と呼ばれる地質帯に属しており、採取されたチャートの礫から、中生代の三畳紀からジュラ紀にかけての放散虫化石が発見されています。これらの地質学的特徴も、飛水峡が持つ重要な価値の一つです。

飛水峡は、日本最古の石博物館とともに、中部北陸自然歩道のモデルコース「日本最古の石にふれるみち」のルート上にあり、自然と歴史を同時に感じられる場所としても人気を集めています。

地形

国の天然記念物「飛水峡の甌穴群」

1961年（昭和36年）7月6日、「風化及び侵蝕に関する現象」を理由に、国の天然記念物に指定された「飛水峡の甌穴群」は、その規模と数において日本を代表するものであり、学術的にも非常に高い価値を持つと評価されています。

日本の典型地形

国土交通省国土地理院の調査（1995年～1999年）において、飛水峡は以下の地形項目の代表的な地形箇所として選定されています。

穿入蛇行（せんにゅうだこう）: 蛇行状に屈曲する谷の中を流れる河川の地形。
甌穴群（ポットホール）: 河床や河岸の岩石表面にできる円形の深い穴とその群。

地質

日本の地質百選

全国地質調査業協会連合会と地質情報整備活用機構によって、飛水峡を含む地域が「日本の地質百選」に選定されました（2007年5月10日）。

名称: 「飛水峡・上麻生礫岩：岐阜」（日本の地質百選 No.49）
説明: 飛騨川の峡[[谷]]で、両側はジュラ紀付加体のチャートと砂岩で構成されており、甌穴が多数見られます。上麻生礫岩からは、日本最古の岩石が発見されています。

県の石

日本地質学会によって、「岐阜県の岩石」としてチャートが選定され（2016年5月10日）、飛水峡がその主要産地の一つとなっています。

岩石名: チャート
主要産地: 木曽川河畔（各務原市鵜沼、加茂郡坂祝町）、飛水峡（加茂郡七宗町）、金華山（岐阜市）
展示場所: 日本最古の石博物館（加茂郡七宗町）
説明: チャートは、放散虫というプランクトンの化石からなる層状の地層です。

交通アクセス

鉄道

JR東海道本線 名古屋駅から高山本線 上麻生駅まで約80分。
JR高山本線 岐阜駅から高山本線 上麻生駅まで約55分（普通）。
JR高山本線 下呂駅から高山本線 上麻生駅まで約60分（普通）。

自動車

国道41号 - 名古屋市から約90分、下呂市から約60分。
東海環状自動車道・美濃加茂ICから約20分。
東名高速道路・名神高速道路小牧ICから約60分。

周辺情報

鉄道

JR高山本線（上麻生駅、白川口駅）
下り特急「ひだ」では、上麻生駅通過後、飛騨川が見え始めると車内放送で飛水峡が紹介されます。上り列車の場合は、飛水峡信号場を過ぎると放送が入ります。ただし、荒天時や夜間など放送されない場合もあります。
鉄道写真の名所としても知られており、飛水峡を背景に走る列車の写真は見ごたえがあります。

施設

国道41号
岐阜県道64号可児金山線
飛水峡ロックガーデン
道の駅「ロック・ガーデンひちそう」
日本最古の石博物館（道の駅に併設）

脚注

（省略）

関連項目

谷
V字谷
日本の峡[[谷]]・渓谷一覧
飛騨川バス転落事故
地質・鉱物天然記念物一覧
日本の地質百選

外部リンク

飛水峡の甌穴群 文化遺産オンライン - 文化庁
岐阜県の道の駅（ロック・ガーデンひちそう）

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