香華

香華（こうげ）

概要

「香華」は、もともと仏前にお供えする香と花を指す言葉です。また、それらの供物を扱う菩提寺を「香華院」と呼ぶこともあります。この項目では、有吉佐和子の小説『香華』、およびそれを原作とする映像作品について解説します。

小説『香華』

有吉佐和子の小説『香華』は、『婦人公論』にて1961年1月号から12月号まで連載され、1962年に中央公論社から単行本として刊行されました。この作品は、人間の業や欲望、そして複雑な人間関係を描いた物語として、多くの読者に影響を与えました。

映画『香華』

1964年5月24日には、木下惠介監督により映画版『香華』が松竹により製作・配給されました。映画では、小説の持つテーマをより映像的に表現し、豪華なキャストによって物語が彩られました。

主なスタッフ

監督・製作・脚本：木下惠介
製作：白井昌夫
原作：有吉佐和子
撮影：楠田浩之
音楽：木下忠司
美術監督：伊藤熹朔
照明：豊島良三
録音：大野久男
編集：杉原よ志

主なキャスト

朋子：岡田茉莉子
郁代：乙羽信子
つな：田中絹代
太郎丸：杉村春子
江崎：加藤剛
野沢：岡田英次
敬助：北村和夫
叶楼々主：柳永二郎
女将：市川翠扇
杉浦：菅原文太
呉服屋の番頭：桂小金治
神波伯爵：宇佐美淳也
大叔父：村上冬樹

その他、宇治みさ子、北見治一、草野大悟、野村昭子、中村たつ、赤沢亜沙子、関口銀三、新克利、長山藍子、青山万里子、田中晋二→三木のり平、内藤武敏、岩崎加根子、奈良岡朋子、田村正和、松川勉、万代峯子、野々村潔、平松淑美、浜村純、稲葉義男、可知靖之、林家珍平など、多くの俳優が出演しています。

テレビドラマ『香華』

『香華』は、これまでに複数回テレビドラマ化されています。それぞれ、放送局やキャスト、スタッフが異なり、各時代ごとの解釈が反映されています。

1965年版

1965年1月4日から3月2日まで、NET（現：テレビ朝日）系列の『ポーラ名作劇場』で放送されました。

主なスタッフ

原作：有吉佐和子
主な脚本：鳴澤昌茂
主な演出：山本勝則

主なキャスト

山田五十鈴
森雅之
扇千景
二木てるみ
金子信雄
嵯峨善兵
菊ひろ子

1969年版

1969年1月6日から2月21日まで、フジテレビ系列の『ライオン奥様劇場』で放送されたテレビ映画です。白黒作品。

主なスタッフ

原作：有吉佐和子
脚本：田井洋子、近藤若菜
監督：堀内真直
音楽：牧野由多可
企画：大塚貞夫
プロデューサー：金澤佳都夫、伊藤康祐
制作：歌舞伎座テレビ室、フジテレビ

主なキャスト

若柳菊
阿部洋子
高橋俊行
宝生あやこ
加賀ちか子
柳沢真一
睦五郎
加藤和恵
若松和子
若原啓子

1993年版

1993年8月23日と8月30日の2回に渡り、テレビ東京TXN系列の『日本名作ドラマ』で放送されました。

主なスタッフ

原作：有吉佐和子
脚本：綾部伴子
演出：森崎東
監督補：鶴巻日出雄
助監督：山本保博
録音：米山英明、脇坂孝行、岩田広一
音楽：岩間康平
選曲：山川繁
プロデューサー：田中浩三、原克子、佐々木彰
プロデューサー助手：溝口靖
制作：テレビ東京、松竹

主なキャスト

墨田ユキ
倍賞美津子
平田満
竹本孝之
吉村実子
岩本多代
大杉漣
加島潤
江藤漢
川村一代
吉宮君代
澤山雄史
染谷勝則
武藤令子
菅原昌代
光映子
岩崎友美
赤井由紀子
今井紀恵
山村志津子
春日とよ紅葉
松野芳子

参考文献

* 『新編 天才監督木下惠介』 論創社、2013年　ISBN 978-4846012472

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