KAJIMOTO

株式会社KAJIMOTO

株式会社KAJIMOTOは、日本のクラシック音楽界をリードする存在として知られる、国内有数のアーティスト・マネジメント会社です。その歴史は古く、1951年に梶本尚靖によって大阪・曽根崎新地に「梶本音楽事務所」として設立されたことに始まります。現在、拠点を東京、北京、パリに持ち、国際的なネットワークを活かした活動を展開しています。

主な事業内容としては、クラシック音楽に特化したコンサートやイベントの企画・制作・運営、国内外で活躍するアーティストのマネジメント、海外の著名なオーケストラや演奏家を日本に招く招聘業務などがあります。また、イープラスとの共同運営によるチケット販売サイト「カジモト・イープラス」を通じて、幅広い音楽ファンに公演情報とチケット提供を行っています。

沿革と主な活動

設立翌年の1952年には早くも東京事務所を銀座に開設し、外国人アーティストの招聘や日本人アーティストの海外派遣といった国際的な業務に着手しました。以来、数々の歴史的な公演を実現しています。

特に、1960年代後半以降は、サンソン・フランソワ（1967年）、マルタ・アルゲリッチ（1970年）、モーリス・アンドレ（1973年）、ウラディーミル・ホロヴィッツ（1983年）といった世界的な名演奏家や、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団（1984年）、ゲオルク・ショルティ指揮のシカゴ交響楽団（1986年）、小澤征爾指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団（1986年）、セルジュ・チェリビダッケ指揮のミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団（1986年）など、錚々たる顔ぶれのアーティストやオーケストラを招聘し、日本の聴衆に最高峰の演奏を届けてきました。近年では、グスターボ・ドゥダメル率いるシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ（2008年）など、新たな世代や音楽教育システムから生まれた才能の紹介にも力を入れています。

招聘活動だけでなく、大規模な文化事業にも深く関わっています。1970年の日本万国博覧会（大阪万博EXPO‘70）ではクラシックス部門の制作を手掛け、1998年の長野オリンピック文化プログラムにも携わりました。特定のアーティストに焦点を当てた「ピエール・ブーレーズ・フェスティバル in Tokyo」（1995年）や「ポリーニ・プロジェクト」（2002年、2012年）などを主催したほか、「パリ・シャトレ座プロジェクト」（2004年～2006年）といった劇場との連携企画も実施しています。

日本の音楽祭シーンにおいても先駆的な役割を果たしており、フランスで人気の音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」を2005年に日本へ誘致し、以降の企画制作を担っています。また、クラウディオ・アバド指揮のルツェルン祝祭管弦楽団などを招聘した「ルツェルン・フェスティバル・イン・東京 2006」や、東日本大震災復興支援プロジェクトとして建築家・磯崎新とデザイナー・アニッシュ・カプーアが手掛けた移動式のコンサートホール「ルツェルン・フェスティバル・アーク・ノヴァ」の企画制作なども行いました。

国際交流事業においても実績を重ねており、「日中国交正常化40周年記念・NHK交響楽団中国ツアー2012」や「日露友好ショスタコーヴィチ・プロジェクト2012」、「ロリン・マゼール指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の中国・韓国ツアー」（2013年）、「トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団中国ツアー」（2013年）などを成功させています。

組織面では、1991年に創業者の子息である梶本眞秀が社長に就任し、梶本尚靖は会長となりました。2009年には、アートディレクター佐藤可士和氏によるブランディングを経て、社名を「株式会社KAJIMOTO」へと変更。創業者・梶本尚靖は2016年に95歳でその生涯を閉じました。

所属アーティスト

KAJIMOTOは、日本を代表する多くのクラシック音楽家たちのマネジメントも手掛けています。指揮者の井上道義、大友直人、ピアニストの伊藤恵、小菅優、小林愛実、ヴァイオリニストの神尾真由子、佐藤俊介、チェリストの堤剛、山崎伸子、フルーティストの工藤重典など、幅広い分野で活躍するアーティストたちの活動を支え、彼らの才能を国内外に発信しています。

70年以上にわたる歴史の中で、KAJIMOTOは世界最高レベルの音楽を日本に紹介し、国内アーティストの育成と支援を行い、多様な文化事業を展開することで、日本のクラシック音楽文化の発展に不可欠な役割を果たし続けています。

もう一度検索