SUPERRACE CHAMPIONSHIP

スーパーレース・チャンピオンシップ（SUPERRACE CHAMPIONSHIP）

スーパーレース・チャンピオンシップは、韓国を主軸に東アジア地域で展開される人気のモータースポーツカテゴリーです。2006年に韓国GT選手権として産声を上げ、翌2007年に現在の名称へと改称されました。韓国を代表する企業グループであるCJグループが長年にわたり冠スポンサーを務めており、CJオーショッピングやCJハロービジョンを経て、現在はCJ大韓通運がタイトルスポンサーとして大会を支えています。2024年からは、CJ大韓通運の配送サービスブランド「O-NE」が大会正式名称に冠され、『2024 O-NE SUPERRACE CHAMPIONSHIP』として新たなスタートを切りました。

概要

2006年に韓国GT選手権として始まったこのシリーズは、2007年に現在の名称に変更されました。2021年には全8戦で争われ、韓国国内では、2007年に休止となったフォーミュラ・コリア以来、フォーミュラカーレースシリーズが存在しないため、ツーリングカーレースでありながら、本シリーズが韓国における自動車レースの頂点に位置づけられています。また、韓国国外でも日本や中国などでシリーズ戦が開催されることがあり、特に日本では過去にオートポリス、鈴鹿サーキット、富士スピードウェイといった主要サーキットでレースが開催され、多くの日本人ドライバーも参戦しています。主な日本人ドライバーとしては、番場琢、青木孝行、阪口良平、井出有治、柳田真孝などが挙げられます。

クラスとマシン

レースは、国際自動車連盟（FIA）のグループA規格に準拠したグランドツーリングカーによって争われます。2015年までは、FIAのグループA規定を参照する形でしたが、2016年にはSUPER6000クラスがFIAよりインターナショナルシリーズとして公認を受け、国際的なレースシリーズとしての地位を確立しました。2023年シーズンでは、5つの異なるクラスでレースが展開されました。タイヤに関しては、2013年まではハンコックタイヤのワンメイクでしたが、2014年からはクムホタイヤやネクセンタイヤも供給を開始し、一時的にヨコハマタイヤもSUPER6000クラスに供給したことがありました。2023年からはサイルンタイヤがGTクラスに、2024年からはブリヂストンタイヤがプリウスPHEVクラスに供給を行っています。レースタイトルは、タイトルスポンサーの変更に伴いその都度名称が変更されます。以下に2024年現在のクラス構成とレースタイトルについて詳細を記述します。

現在のクラス

슈퍼6000(SUPER6000)
スーパーレースの最高峰クラスであり、460馬力のゼネラルモーターズ製6.2L V型8気筒LS3エンジンとサデブ製6速シーケンシャルトランスミッションを搭載したパイプフレームのカウルマシンを使用します。最低車重は1,270kgと規定されており、レース結果とチャンピオンシップポイントランキングに応じたハンディキャップウェイトが課せられます。カウルは過去にオウリムモータース・スピラ、キャデラック・CTS、ヒュンダイ・ジェネシス、キャデラック・ATS-Vと変更され、2020年からはトヨタ・GRスープラが採用されました。GRスープラは初の海外車両モチーフですが、これは過去のキャデラック2車種が韓国GMからの車両提供という扱いで、韓国国内の法律上は国産車として登録されているためです。2020年シーズンからSUPER6000のタイトル名が復活しましたが、2021年シーズン途中からはサムスン海上火災保険がタイトルスポンサーとなっています。2021年以降、ホイールのみASA製レーシングホイール指定であるものの、タイヤメーカーの指定はなく、各タイヤメーカーのワークスマシンが混走する唯一のクラスとなっています。
GT(GT)
BOP（性能調整）によってパワーが制限され、イコールコンディションに近い状態でレースが行われます。ハンディキャップウェイト制度も導入されており、順位とチャンピオンシップポイントランキングに応じてウェイトが加算されます。かつては2シーターの現行販売車両という規定がありましたが、2021年の規定改定により、必ずしもこの規定に合致しない車両も運営の判断で参戦が可能になりました。改造範囲は限定的ながら、外装に関しては、純正のままのチームから、市販エアロパーツ装着、さらにはGTクラス専用エアロパーツを開発するチームまで、非常に幅広くなっています。3800cc未満の自然吸気エンジンを搭載した後輪駆動車、または2000cc未満の過給機付きエンジンを搭載した前輪駆動車が使用されます。かつては、韓国国内で購入可能なGTクラス規定ギリギリの3800cc未満・後輪駆動車両がジェネシスクーペのみだったため、実質的なワンメイクレースとなっていましたが、近年では、JS型ヴェロスターNやシボレー・マリブ、Hyundai N Festivalで使用されているアバンテNカップカーなどを使用するチームが増加しています。特に、アバンテNカップカーは、軽量化や専用ブレーキ・サスペンションチューニングが施されているため、安価で高性能なマシンとして人気を集めています。一部のコースでは、前輪駆動車がジェネシスクーペをコーナーで追い詰める場面も増えており、車両の老朽化も相まって、ジェネシスクーペから前輪駆動車へと乗り換えるチームが増えています。2023年まではGT2という下位クラスも存在しましたが、参加者不足により消滅しました。
GT4(GT4)
SRO-GT4車両を使用したレースで、GT2クラス廃止の代替として追加されました。世界中のレーシングカーを走らせるというコンセプトで企画されましたが、2024年現在は4L V8ターボ車のみ参加可能で、メルセデス AMG GT4が該当します。GTクラスの上位カテゴリーという扱いで、予選・本戦はGTクラスと混走します。タイヤはハンコックタイヤのワンメイクです。
M클래스(M Challenge)
BMW・M4（F82）を使用したワンメイクレースです。ナンバー付きのBMW・M4を使用し、ドライバーの安全性を考慮した改造のみが許可されています。改造項目は全て指定されており、実質的なワンメイクレースとなります。タイヤはネクセンタイヤが指定されています。
스포츠 프로토타입 컵 코리아(Sport Prototype cup Korea)
ラディカル・SR1とラディカル・SR3を使用したレースです。それぞれでクラス分けがされており、実質的なワンメイクレースとなります。セッティングは自由ですが、純正採用されているスズキ製4気筒エンジンには手を加えることができません。最小重量はドライバーを含めて580kg以上と規定されています。タイヤはハンコックタイヤが指定されています。
PRIUS PHEV cup(PRIUS PHEV cup)
キャデラックCT4クラスに代わる新たなアマチュアクラスとして新設されました。韓国初のPHEV車によるレースで、トヨタコリアでレース用の改造を施し、スーパーレースから供給を受ける5代目プリウスPHEVを用いたワンメイクレースを行います。
e-SUPERRACE
レーシングシミュレータであるアセットコルサ(PC版)を使用し、16歳以上が参加可能なオンラインeモータースポーツイベントです。2022年シーズンからはGR86を使用しています。2021年まではSUPER6000仕様のトヨタ・GRスープラを使用しており、韓国国内だけでなく世界各地のサーキットを舞台にレースが開催されます。このカテゴリーは、2020年のCOVID-19によるSUPERRACE開催自粛に伴い、韓国のeスポーツ選手とSUPERRACEの選手がiRacingでエキシビションマッチを行ったことがきっかけで誕生しました。その後、すぐにシリーズの一つとして組み込まれ、現在に至ります。2021年からはマニュファクチャラーシリーズが発足し、本家SUPERRACEで活動しているワークスチームやレースチーム、さらには韓国国内で活動しているeスポーツチームの参加が認められています。

過去に存在したクラス

Hyundai Avante Cup
2017年・2018年まで開催されていたヒュンダイ・アバンテのワンメイクレースです。その後、独立リーグとなり現在のHyundai N Festivalへと発展しました。
Mini challenge Korea
2019年にヒュンダイアバンテカップの代替として開催された、グローバルMINI60周年記念大会です。JCWクラス、クーパーSクラス、レディースクラスの3つのクラスで争われました。使用車両はJCWクラスがジョンクーパーワークス(F56)、クーパーSクラスとレディースクラスがクーパーS(F56)で、無改造が条件でしたが、上記の2車種を所有していれば誰でも参加可能でした。
캐딜락CT4(Cadillac CT4)
2021年と2022年に開催されたキャデラック・CT4を使用したレースです。ナンバー付きのキャデラック・CT4を使用し、Mチャレンジ同様にドライバーの安全性を考慮した改造のみが許可されていましたが、改造項目は全て指定されていたため、ワンメイクレースとなりました。規定ライセンスがSUPERRACEの中で最も低いアマチュアクラスという扱いでした。タイヤはネクセンタイヤが指定されていました。
Asian Drifting Cup
2018年に開催されたドリフト大会です。Korea Drift Leagueやフォーミュラ・ドリフトで優秀な成績を収めた選手や、KARA（大韓カーレース協会）が選出した選手が招待され、日本からも川畑真人、藤野秀之が参戦しました。その後、大会としては独立しましたが、現在もサポートレースやパフォーマンスショーとして不定期にSUPER RACE Championship内で開催されています。
ECSTA V720 CRUZE / ECSTA V720 ACCENT
2014年から2016年にかけて行われた、シボレー・クルーズとヒュンダイ・アクセント（ディーゼル仕様）を用いたワンメイクレースです。タイトルスポンサーの通り、タイヤもクムホ・ECSTA V720のワンメイクでした。

脚注

公式ウェブサイト

もう一度検索