W52T

W52T (ダブリュ52ティー) の詳細解説

W52Tは、東芝が開発し、KDDI（au）から発売されたCDMA 1X WIN対応の携帯電話です。

主な特徴

世界初の3インチワイドVGA液晶: 当時としては画期的な高解像度ディスプレイを搭載し、広い画面でメールやウェブサイトの閲覧が快適でした。
スライド式デザイン: 東芝製端末としては初のスライド式を採用し、スタイリッシュな外観を実現しました。
au初のBluetoothとFelicaの両搭載: Bluetoothによるワイヤレス通信や、Felicaチップによる電子決済など、利便性の高い機能が充実しました。
大容量Felicaチップ: auの2007年春モデルで採用された新バージョンのFelicaチップを搭載し、従来の3倍の容量を持つため、電子クーポンなどの利用がスムーズでした。
豊富な機能: ワンセグ、地上デジタル音声放送実用化試験、PCドキュメントビューアーなど、当時の最新サービスに対応していました。
TV出力: 付属のTV用ケーブルで、写真や動画、PCドキュメントなどをテレビで表示可能でした。ただし、ワンセグのテレビ出力は非対応でした。
Bluetooth: ワイヤレスハンズフリー通話や音楽再生に対応。A2DPとSCMS-Tもサポートしています。ただし、ワイヤレスミュージックリモコンレシーバーは別売りでした。

他機種との比較

SoftBank 911T: W52Tと同等の機能を備えたSoftBank向け端末が存在しましたが、通信方式（W-CDMA）や一部機能（TV電話、地上デジタル音声放送など）が異なっていました。また、フルブラウザの横表示やフォントのアンチエイリアス処理にも違いがありました。

ユーザーからの評価と課題

高い期待: auの2007年春モデルの中で最もハイスペックな端末として、ユーザーからの期待は非常に高かったです。特に、BluetoothとFelicaを両方搭載した機種を待ち望んでいたユーザーにとっては、待望の端末でした。
高価格: 高機能ゆえに価格設定は高めでした。
液晶の課題: 世界初の3インチワイドVGA液晶は、メールや電話帳の視認性を向上させましたが、メニュー画面などのGUIはQVGAで作成されていたため、VGAの性能を十分に活かしきれていないとの不満の声もありました。
ワンセグ: ワンセグ放送は補間処理により表示されるため、ディスプレイの精細さを活かすことができませんでした。

対応サービス

W52Tは、以下のようなauのサービスに対応していました。

au Smart Sports
au LISTEN MOBILE SERVICE
PCサイトビューアー
着うたフル、着うた
au Media Tuner（ワンセグ、地上デジタル音声放送実用化試験、EZチャンネルプラス）
EZ・FM
EZ FeliCa
EZナビウォーク
EZ助手席ナビ
EZチャンネル
EZアプリ (BREW)
LISMOビデオクリップ
安心ナビ
EZチャンネルプラス
EZニュースフラッシュ
デコレーションメール
緊急通報位置通知
ケータイ探せて安心サービス
アドレス帳預けて安心サービス
赤外線通信 (IrDA)

CM

W52TのCMには、BoAさんが出演し、テレビで放映されました。

沿革

2007年1月16日: KDDIと東芝が公式発表。
2007年2月: 各地域で発売開始。
2007年6月: 販売終了。
2012年7月22日: L800MHz帯エリアのサービス停波。
2022年3月31日: 3Gサービス終了に伴い、利用不可。

その他

フジテレビ系の番組「run for money 逃走中」や「クロノス」で過去に使用されました。

不具合とその修正

W52Tでは、以下の不具合が確認され、ソフトウェアアップデートによって修正されました。

2007年3月27日: 電源問題、Bluetooth接続問題。
2007年5月9日: 待受時間、オートロック設定、ワンセグ視聴時の不具合。
2007年8月31日: EZニュースフラッシュ、待受時間、アドレス帳データ転送の問題。
2009年2月3日: 着うた再生時の不具合。

関連情報

イメージキャラクター: BoA
姉妹機種: W51T
後継機種: W54T
同等機種: SoftBank 911T
G-BOOK mX / G-BOOK mX pro

外部リンク

W52T (TOSHIBA)
au
KDDI au: オンラインマニュアル > W52T


W52Tは、当時の最先端技術を搭載したauのフラッグシップモデルとして、多くのユーザーに利用されました。その特徴的なデザインと多機能性は、携帯電話の進化を象徴する一台と言えるでしょう。

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