W53T

東芝製携帯電話 W53T の詳細

W53Tは、東芝（現FCNT）が開発し、KDDIおよび沖縄セルラー電話のauブランドから2007年に発売されたCDMA 1X WIN対応の携帯電話です。この端末は、東芝のAV技術を結集し、映像機能と使いやすさを追求したモデルとして注目されました。

デザインとディスプレイ

W53Tは、横から見ると楔形に見える独特の18mm回転2軸ボディを採用しています。これは東芝のAVノートPC「Qosmio」や液晶テレビ「REGZA」で培われた技術が応用されており、特に映像表示に力が入れられています。ディスプレイには「クリアスクリーン」技術が採用され、太陽光の下でも見やすい表示が可能になりました。また、2.8インチのWQVGA液晶は、当時としては高精細で美しい映像体験を提供しました。

ワンセグ機能

本端末は、ワンセグ視聴機能を搭載しており、最大4時間の連続視聴が可能です。さらに、新たにワンセグの予約録画機能が追加され、ユーザーは好きな番組を録画して後から楽しむことができるようになりました。これにより、外出先や移動中など、場所を選ばずにテレビ番組を楽しむことが可能になりました。

機能面

W53Tは、N800MHz帯（新800MHz帯・CDMA Bandclass 0 Subclass 2）エリアのサポートを含む新サービスに対応しました。また、3Dグラフィックアクセラレータ「MOBILE TURBO T5GP」を搭載し、スムーズなグラフィック表示を実現しています。しかし、カメラの画素数は196万画素と、近年の東芝製端末で採用されていた324万画素CMOSカメラに比べてスペックダウンしており、地上デジタル音声放送実用化試験局の受信機能も非対応となりました。この点は、一部ユーザーから不満の声が上がりました。

不具合と対応

発売直後の2007年6月27日に、開閉を繰り返すとヒンジ部分が緩み、開閉状態を維持できなくなるという不具合が発表されました。これにより、販売は一時中止となり、対象ユーザーにはauショップやPiPit（一部店舗除く）で無償交換が行われました。また、電源が勝手に落ちたり、microSDカードが抜けなくなるといった、他の東芝製端末でも見られる不具合も報告されています。

販売とその後

2007年6月に発売されたW53Tは、一時販売中止を経て、7月には販売が再開されました。その後、新色として「ネイビーラピスラズリ」と「ホワイトムーンストーン」が追加され、多様なユーザーのニーズに応えました。しかし、2008年3月には販売を終了しています。2012年7月には、旧800MHz帯エリアでの音声・通信サービスが停波し、その後はN800MHz帯エリアおよび2GHz帯エリアでの利用となりました。さらに、2022年3月にはauの3Gサービスが完全終了したため、W53Tは全てのサービスが利用不可となりました。

対応サービス

W53Tは、au Smart Sports、au LISTEN MOBILE SERVICE、PCサイトビューアー、着うたフル、着うた、au Media Tuner（ワンセグ・EZチャンネルプラス）、EZ・FM、EZナビウォーク、EZ助手席ナビ（3Dナビ対応）、EZチャンネル、EZケータイアレンジ、EZアプリ（BREW）、LISMOビデオクリップ、安心ナビ、EZチャンネルプラス、EZニュースフラッシュ、デコレーションメール、緊急通報位置通知、絵しゃべりメール、ラッピングメール、Touch Messageなど、当時のauが提供する多くのサービスに対応していました。

コマーシャル

W53TのCMには、前モデルのW52Tに引き続き、歌手のBoAが出演しました。特に、6月16日に全国の民放テレビ局で放送された特別編CMは、「日差し」編として話題になりました。

総括

W53Tは、東芝の技術力を活かした映像機能や、ワンセグ予約録画機能など、多くの魅力を持った携帯電話でした。しかし、発売直後に発生した不具合や、カメラ性能の低下など、改善すべき点も見られました。それでも、当時の携帯電話市場において、一定の存在感を示したモデルと言えるでしょう。

関連情報

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• - CDMA 1X WIN
• - BoA (W53Tのイメージキャラクター)
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