カルロス・コロン

カルロス・コロン：プエルトリコのレスリングレジェンド

カルロス・コロン。その名は、プエルトリコのプロレスシーン、そして世界プロレス史に深く刻まれている。1948年7月18日プエルトリコ生まれ。プロレスラーとしてだけでなく、プロモーターとしても成功を収めた彼の生涯は、まさに波乱万丈と言えるだろう。

少年時代をニューヨークで過ごし、アントニオ・ロッカやミゲル・ペレスらに師事。1966年、マサチューセッツ州ボストンでプロレスラーとしてデビューを果たす。アフリカ系ラテンアメリカ人のベビーフェイスとして、アメリカ東部やカナダで活躍。WWWF（後のWWE）では、ゴリラ・モンスーン、ケンタッキー・ブッチャーといった強豪ヒールたちとしのぎを削り、ビクター・リベラとのタッグチーム「プエルトリカン・コンビ」でも人気を博した。リングネームを「チーフ・ブラック・イーグル」に変え、ブラック・インディアンのギミックで活動した時期もあった。カナダのカルガリーでは「カルロス・ベラフォンテ」名義で活躍し、アンガス・キャンベルやクルト・フォン・ヘスらと激しい抗争を繰り広げた。

1971年には国際プロレスに初来日。その後も、1976年と1979年に再来日している。1979年の来日時は全日本プロレスにも参戦し、アブドーラ・ザ・ブッチャーやボボ・ブラジルらと「ブラック・パワー軍団」を結成、グレート小鹿＆大熊元司組のアジアタッグ王座に挑戦するなど、日本でもその名を轟かせた。

1973年、コロンはWWWF時代の盟友であるモンスーンやビクター・ジョビカと共に、故郷プエルトリコに「キャピトル・スポーツ・プロモーションズ」を設立。これが後のWWC（ワールド・レスリング・カウンシル）となる。コロンはWWCのオーナー兼エースとして活躍し、アーニー・ラッド、ザ・スポイラーといった名レスラーたちと激闘を繰り広げた。北米ヘビー級王座やプエルトリコ・ヘビー級王座を奪取、1980年代にはWWC世界ヘビー級王座（後にWWCユニバーサル・ヘビー級王座と改称）を26回も獲得するなど、プエルトリコの帝王として君臨した。この間、NWA世界ヘビー級王者であるハーリー・レイスやリック・フレアーとダブルタイトルマッチを行うなど、その活躍は北米プロレス界全体に大きな影響を与えた。

1990年代には、古巣のWWFと提携。ロイヤルランブルにも出場し、サビオ・ベガやミゲル・ペレス・ジュニアらをWWFに送り込んだ。WWCでは、ディック・マードック、グレッグ・バレンタイン、メイブルといったレスラーたちとの死闘を繰り広げた。

2000年代に入ると、息子のカリート（カーリー・コロン）にWWCのエースの座を譲り、自身はプロモーター業に専念。しかし、ハードコア戦線にも進出し、WWCハードコア王座を獲得するなど、現役生活に終止符を打つまで精力的に活動した。息子たちがWWEで活躍していた時期には、WWEの番組にもゲスト出演するなど、その存在感は絶大だった。2008年に現役引退を表明、以降はWWCの運営に専念。2014年にはWWE殿堂入りを果たし、その偉業は広く称賛されている。

コロンの得意技は、ベリー・トゥー・ベリー・スープレックス、フィギュア・フォー・レッグロック、ドロップキックなど。数々のタイトルを獲得し、プエルトリコのプロレス界を牽引してきた彼の功績は、今なお語り継がれている。彼の息子であるカリートとディエゴ、そして甥のフェルナンドもプロレスラーとして活躍していることは、コロン家のプロレス一家としての歴史を示している。 カルロス・コロンは、まさにプエルトリコが生んだレスリングレジェンドと言えるだろう。

もう一度検索