元中

元中（げんちゅう）の概要

元中は、南北朝時代において南朝が使用した元号です。この元号は、弘和の後、明徳の前の1384年から1392年までの期間にわたります。この時代の南朝天皇は後亀山天皇、北朝天皇は後小松天皇であり、室町幕府の将軍は足利義満でした。

改元の経緯

元中という元号は、弘和4年（1384年）4月28日に後亀山天皇の即位に伴って改元されました。ただし、この改元は甲子革令にも対応しています。そして、元中は元中9年の閏10月の5日（1392年11月19日）に南北朝の合一により廃止され、北朝の元号である明徳に統一されました。

元中年間の主な出来事

元中の期間中には、南朝に関する様々な出来事がありました。

• - 元年（1384年）の7月4日、菊池武朝と葉室親善が歴代の戦功を記した申状を奏上しました。これにより、その年は弘和の年号が用いられました。

• - 2年（1385年）の6月には、南朝が高麗に援兵を求めて多くの軍士を派遣したとの記録があります。9月10日には、長慶上皇が高野山の丹生社に「雌雄」という宸筆の願文を奉納しました。

• - 3年（1386年）の4月5日には長慶上皇が最後の院宣を下し、紀伊静川荘の知行を命じました。また、5月27日から29日には小山若犬丸が挙兵し、守護代を打破しました。

• - 4年（1387年）の7月19日には、上杉朝宗が足利氏満の命により常陸小田城を攻撃し、小田孝朝を敗走させました。

• - 5年（1388年）の春には楠木正勝が河内で挙兵したものの、山名氏清に敗れました。

• - 6年（1389年）の1月には花山院長親が自らの家集を写し、奥書を加えました。3月1日には北畠顕泰が北伊勢を攻撃するも防戦されたともあります。

• - 7年（1390年）には、楠木氏と和田氏が河内で北軍と交戦しました。9月には今川貞臣が肥後での戦において宇土城と河尻城を陥落させました。

• - 8年（1391年）の初秋、名和顕興が今川貞臣と一時的な講和を結び、八代城を明け渡しました。

• - 9年（1392年）の1月に楠木正勝が河内で畠山基国と戦いますが、敗北しました。10月には将軍足利義満が南北朝講和の条件を提示し、閏10月には後亀山天皇が譲位し、南北朝の合一が実現しました。この時、北朝は三種の神器を接収しました。

元中以降の影響

元中の元号は南北朝合一後も続く南朝勢力に使用され、特に九州征西府や東国新田氏の勢力圏でその記録が見られます。具体的には、1393年から1397年にかけて作成された文書が残されています。

歴史の中の人物

元中の期間中には、多くの重要な人物が亡くなっています。1385年には宗良親王、1386年には北畠顕統、1387年には足利直冬、1390年には無文元選、1391年に新宣陽門院と楠木正儀などがその名を刻んでいます。

結論

元中の時代は南北朝時代の重要な局面であり、その特徴的な出来事や関係する人物の行動は、日本の歴史の中で特に記憶されています。

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