於夫羅

於夫羅（おふら）

於夫羅（拼音: Wūfúluó、 和平元年（150年）? - 建安元年（195年））は、後漢時代の南匈奴、屠各種攣鞮部の単于です。羌渠の子で、呼廚泉の兄にあたります。前趙の劉氏が称する系譜では、劉豹の父、劉淵の祖父とされています。『後漢書』では於扶羅と表記されます。

生涯

光和2年（179年）、呼徴単于が使匈奴中郎将の張脩に殺害され、父の羌渠が単于に擁立されると、於夫羅は右賢王となりました。

中平元年（184年）に黄巾の乱が発生すると、単于の羌渠は右賢王の於夫羅に兵を率いさせ、漢朝を支援させました。

しかし、中平5年（188年）3月、単于の羌渠が度重なる徴兵を行ったため、右部の醢落が休屠各胡の白馬銅ら10万余人と共に反乱を起こし、羌渠を殺害しました。羌渠の後を継いだのは子の右賢王於夫羅でしたが、羌渠を殺害した国人たちはこれに背き、遠戚の須卜骨都侯を擁立して単于としました。そのため於夫羅は、自ら洛陽の宮闕にまで赴きこの事を訴えました。しかし、霊帝崩御直後の混乱期であり、その願いは叶いませんでした。単于於夫羅は白波賊と共に河内諸郡を略奪しましたが、そこの自警団に阻まれ、成果を得られず本国に帰ろうとしましたが、受け入れてもらえず、河東郡に留まりました。

中平6年（189年）、南匈奴の本国では、須卜骨都侯単于が即位から1年で亡くなったため、南単于庭の単于が空位となり、老王が国事を執り行いました。

初平元年（190年）、曹操らの反董卓連合軍が結成されると、張楊と共に袁紹に属し、漳水に駐屯しました。その後（191年7月以降）、張楊を人質にとって袁紹に対し反逆しましたが、袁紹軍の麴義に追撃され、黎陽に逃れ、その後度遼将軍の耿祉の軍勢を奪って勢力を盛り返しました。

初平3年（192年）、黒山賊を討伐した曹操と内黄で戦い大敗しました。翌年（193年）春には袁術が陳留に進出した際に、黒山賊と共に袁術を支援しましたが、袁術が曹操に敗れたためか、最終的には於夫羅は曹操に帰順したと見られています。

建安元年（195年）に亡くなり、弟の呼廚泉が後を継いで単于となりました。

小説『三国志演義』には登場しません。

参考文献

『三国志』（武帝紀、二公孫陶四張伝）
『後漢書』（南匈奴列伝）

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