映像機器

映像機器とは

映像機器とは、映像（静止画を含む）を表示したり、記録したりすることを目的とした機器の総称です。ビジュアル機器とも呼ばれます。

映像機器の種類

映像機器は、その用途や機能によって多岐に分類されます。主なものとして、以下のような機器が挙げられます。

表示機器

テレビ受像機: 放送電波を受信して映像を表示する機器。家庭用から業務用まで幅広く利用されています。
ビデオモニター: 外部からの映像信号を入力して表示する機器。編集作業や監視用途などで利用されます。
ディスプレイデバイス: パソコンやゲーム機などの映像を表示する機器。様々なサイズや解像度のものが存在します。

表示方式による分類

映像を表示する方式によって、以下のような種類があります。

ブラウン管 (CRT): 過去に主流だった真空管を利用した表示方式。現在はほとんど使われていません。
トリニトロン管: ソニーが開発した高画質ブラウン管技術。より鮮明な映像表示を実現しました。
薄型ブラウン管: ブラウン管を薄型化したもの。省スペース化に貢献しました。
液晶ディスプレイ (LCD): 液晶の光学的特性を利用した表示方式。薄型軽量で省電力なため、広く普及しています。
プラズマディスプレイ: プラズマ発光を利用した表示方式。高画質で応答速度が速いという特徴があります。
プロジェクタ: レンズを用いて映像をスクリーンに投影する機器。大画面での視聴に適しています。
リアプロジェクションテレビ: プロジェクタを内蔵し、背面のスクリーンに映像を投影する方式。大型テレビとして利用されました。
電界放出ディスプレイ (FED): 電子を放出させて蛍光体を光らせる表示方式。高い画質が期待されましたが、実用化には至っていません。
表面伝導型電子放出素子ディスプレイ (SED): 電子放出素子を利用した表示方式。FEDと同様に開発が終了しています。
有機ELディスプレイ (OLED): 有機EL材料が発光する現象を利用した表示方式。高コントラストで視野角が広いのが特徴です。

表示画面サイズ規格

表示画面の画素数やアスペクト比によって、以下のような規格があります。

標準画質ノーマル型: 640x480画素（4:3）。初期のテレビ放送で使用された規格です。
高画質ノーマル型: 960x720画素（4:3）。標準画質よりも高精細な映像を表示できます。
標準画質ワイド型: 850x480画素（16:9）。ワイド画面に対応した標準画質規格です。
ハイビジョン型: 1280x720画素（16:9）。高精細な映像を表示できます。
フルハイビジョン型: 1920x1080画素（16:9）。ハイビジョンよりもさらに高精細な映像を表示できます。

※各メーカーや製品によって、呼称やスペックが異なる場合があります。

チューナー

放送電波を受信する機器です。

MUSEデコーダ: アナログハイビジョン放送を受信するための機器。
MUSE-NTSCコンバーター: アナログハイビジョン放送を標準画質に変換する機器。
BSチューナー: 衛星放送を受信するチューナー。
CSチューナー: 通信衛星放送を受信するチューナー。
デジタル放送チューナー: 地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送を受信するチューナー。

撮像機器

ビデオカメラ: 映像を撮影・記録する機器。
撮像デバイス: 映像を電気信号に変換する部品。撮像管、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどがあります。
ハイビジョンカメラ: ハイビジョン画質で撮影できるカメラ。
監視カメラ: 防犯や監視を目的としたカメラ。
デジタルビデオカメラ: デジタル方式で映像を記録するカメラ。
Webカメラ: パソコンに接続して映像を撮影するカメラ。
ネットワークカメラ: ネットワーク経由で映像を伝送できるカメラ。
カムコーダ: ビデオカメラとレコーダーが一体化したもの。

記録機器

ビデオレコーダー: 映像を記録・再生する機器。
磁気メディア: 磁気テープや磁気ディスクを用いて記録する方式。オープンリール、VTR、VHS、ベータマックスなどがあります。
光学メディア: 光ディスクを用いて記録する方式。CD、DVD、Blu-ray Discなどがあります。
半導体メモリメディア: フラッシュメモリなどを用いて記録する方式。P2カードなどがあります。

各種映像規格

映像機器は、様々な映像規格に対応しています。

テレビ規格

NTSC: 主に日本や北米で使用されるアナログテレビ規格。
PAL: 主にヨーロッパやアジアで使用されるアナログテレビ規格。
SECAM: 主にフランスや東欧で使用されるアナログテレビ規格。

解像度規格

標準画質 (SDTV): 比較的低解像度の映像規格。
ハイビジョン (HDTV): 高解像度の映像規格。

その他の要素

端子

映像信号を伝送するための端子には、以下のようなものがあります。

RCA端子: コンポジット映像信号を伝送する端子。
BNC端子: 業務用や放送用の端子。
S端子: コンポーネント映像信号を分離して伝送する端子。
コンポーネント端子: 色信号を分離して伝送する端子。
D端子: コンポーネント映像信号を伝送する端子。
特殊D端子: 一部の機器で使用される特殊なD端子。
DV端子 (IEEE 1394): デジタル映像信号を伝送する端子。
DVI端子: デジタル映像信号を伝送する端子。
SDI端子: 放送機器用のデジタル映像信号を伝送する端子
HDMI端子: デジタル映像・音声信号を伝送する端子。

放送方式

地上波: 地上アナログテレビ放送や地上デジタル放送など。
衛星放送: BS/CSアナログ放送やBS/CSデジタル放送など。

表示方式

オーバースキャン: 画面の端が隠れる表示方法
アンダースキャン: 画面全体を表示する表示方法

映像機器メーカー

映像機器を製造している主なメーカーには、以下のような企業があります。

アストロデザイン
EIZO
池上通信機
イメージニクス
シャープ
ソニー
パナソニック
ローランド
アイ・ディ・ケイ

関連項目

音響機器
情報機器
家電機器
* デジタル[[放送の一覧]]

以上のように、映像機器は多様な種類と規格があり、私たちの生活に欠かせないものとなっています。

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