雪ミク

雪ミク（ゆきミク）とは

雪ミクは、クリプトン・フューチャー・メディア（以下、クリプトン社）が展開するバーチャルアイドル「初音ミク」の冬季限定キャラクターです。通常の初音ミクが世界規模で活躍するのに対し、雪ミクは北海道を応援するキャラクターとして設定されています。活動の中心は、さっぽろ雪まつりに合わせて開催されるイベント「SNOW MIKU」です。毎年異なるテーマで衣装デザインが公募され、その度にイメージが大きく変わるのが特徴で、これらのデザインは「雪ミクオールスターズ」と呼ばれています。2024年には札幌観光大使に就任し、北海道の様々な施策や企業・団体とのコラボレーションを行っています。

誕生の背景

雪ミクは、2010年のさっぽろ雪まつりで初音ミクの雪像が展示されたことをきっかけに誕生しました。クリプトン社は札幌市に所在しており、この雪像展示を記念して雪ミクが誕生しました。クリプトン社の代表取締役である伊藤博之氏は、初音ミクに地域性やナショナリズムを背負わせない方針を掲げ、北海道関連のコラボレーションは雪ミクに一任しています。SNOW MIKU統括プロデューサーの熊谷友介氏は、「北海道を応援するキャラクターを作りたかった」と語っています。

雪ミクは、初音ミク雪像の展示と合わせて企画された「冬限定のねんどろいど商品」から始まりました。札幌市との連携で都市の魅力を国内外に発信する目的で初音ミクとのコラボレーションが提案されていた時期に、ミクのグッズを手掛ける企業からもご当地キャラクターの作成が提案されました。グッドスマイルカンパニーの代表取締役である安藝貴範氏がこの企画を発案したと言われています。2012年からは衣装デザインが公募制となり、クリプトン社が運営するCGM型投稿サイト「ピアプロ」で公募企画が実施されています。2014年には、公募企画によって雪ミクのペットであるエゾユキウサギの「ラビット・ユキネ」が誕生し、「SNOW MIKU」のテーマソングも制作されるようになりました。初代テーマソングはMitchie M氏による「好き！雪！本気（マジ）マジック」です。

雪ミクオールスターズ

各年の雪ミクの名称は、主に「ねんどろいどフィギュア」に基づいて付けられています。全体の公式メインビジュアルは、初音ミクの原案絵師であるKEI氏のイラストが採用され、「SNOW MIKUポータルサイト」や「piapro.net」などで公開されています。2017年から2019年にかけては、中国のクリエイターが3年連続でデザインを担当しました。また、ユキネの衣装も同時に企画され、2019年の担当クリエイターである「―LF―」氏は、雪ミクとユキネの両方をデザインした初のクリエイターとなりました。

SNOW MIKU

SNOW MIKUは、クリプトン社が主催する雪ミクのフェスティバルです。イベント期間中は、グッズやアパレル品、飲食品が販売されるほか、小売店や各種機関、施設、団体とのコラボレーションが実施されます。ラッピング車両の運行や公式ライブコンサートも開催されることがあります。イベントの規模は年々拡大しており、このイベントと「初音ミク マジカルミライ」は、“初音ミクの2大イベント”と称されることもあります。2023年には、イベント期間中に「マジカルミライ」が札幌市で初開催されました。

ねんどろいど 雪ミク シリーズ

雪ミクの企画は、雪像と関連する冬限定のねんどろいど商品から始まりました。クリアパーツの採用や雪の結晶の再現など、細部にこだわった商品開発が行われています。第一弾商品は、「SNOW MIKU 2010」で販売され、深夜にファンの行列ができるほどの人気を集めました。

雪ミク電車

「SNOW MIKU 2011」で初登場した札幌市電の冬季限定ラッピング車両です。車体に雪ミクと札幌市時計台が描かれ、車内放送も初音ミクが担当しています。毎年デザインを変えながら運行されており、市民や観光客に親しまれています。

雪ミク雪像

毎年、その年のテーマに合わせた衣装を身につけた雪ミクの雪像が会場に設置されます。雪ミク誕生のきっかけが初音ミクの雪像であるため、雪像と雪ミクは密接な関係にあり、毎年の風物詩となっています。

雪ミク スカイタウン

新千歳空港国内線ターミナルビル4階に常設されているショップ兼ミュージアムです。雪ミク関連グッズの販売や展示が行われています。

アンバサダー・イメージキャラクターとしての活動

雪ミクは、以下のような様々なアンバサダーやイメージキャラクターを務めています。

2017冬季アジア札幌大会：広報大使/PRアンバサダー（2016年 - 2017年）
北海道・新キャッチフレーズ「その先の、道へ。北海道」：イメージイラスト（2017年 - ）
北海道ミライノート：大使/ガイド（2017年 - ）
Bリーグ「ALL-STAR GAME 2020 IN HOKKAIDO」：デジタルアンバサダー（2019年 - 2020年）
札幌モーターショー：公式アンバサダー（2020年）
札幌市制100周年記念事業：PRアンバサダー（2022年）
札幌モビリティショー：公式アンバサダー（2024年 - ）
北海道e-水プロジェクト：公式アンバサダー（2024年 - ）
札幌観光大使（2024年 - ）

模型

雪ミクの模型としては、以下のようなものがあります。

ねんどろいど / 「ねんどろいど 雪ミク」シリーズ：グッドスマイルカンパニーから発売されているフィギュアシリーズ。
雪ミク電車プラモデル：フジミ模型から各年の「雪ミク電車」のプラモデルがリリースされています。
雪ミク 等身大立像：「雪ミク スカイタウン」に設置されている等身大立像。リニューアルオープンに伴い、新しい立像が設置されました。

北海道の団体・企業とのコラボレーション

雪ミクは、北海道に在籍する様々な団体や企業とコラボレーションを行っています。

2010年代の主なコラボレーション

ノルベサ：複合商業施設で、イベントスペースの提供や館内装飾、BGM、テナントとのコラボレーションを実施。
ウィズユーカード：雪ミクデザインのICカードを販売。
円山動物園：雪ミク雪像の展示やコラボグッズの販売。
タカハシ：カラオケチェーンでコラボメニューの提供や「雪ミクルーム」を実施。
サッポロファクトリー：イベント会場の提供やコラボ企画を実施。
マジックスパイス：スープカレー店とのコラボレーション。
Cafe PonKotan：雪ミクのドローイング作品の展示やライブペイントを実施。
カナリヤ：手芸専門店で雪ミクのコスプレ衣装を製作・展示。
YOSAKOIソーラン祭り：小中学生のジュニアダンサーが雪ミクのスペシャルチームとして参加。
MIRAI.ST cafe & kitchen：クリプトン社運営のカフェでコラボメニューを提供。
ルスツリゾート：コラボイベントやグッズ販売を実施。
北海道キャッチフレーズ「その先の、道へ。北海道」：イメージイラストやテーマ曲の公募。
北海道ミライノート：雪ミクが「北海道ミライ大使」として登場。
北海道150年事業：専用ビジュアルの提供やイベントを実施。
北海道商店街振興組合連合会：コラボグッズを抽選でプレゼント。
MOMO (ロケット)：クラウドファンディングで雪ミクグッズを返礼品に。
札幌市交通局 地下鉄マナー啓発キャンペーン：駅構内にポスター掲示やアナウンスを実施。
交通安全運動：雪ミクが「交通安全特別広報官」として活動。
アルキタ：求人メディアとコラボレーション。
森永乳業：アイス「蜜と雪」とのコラボCM。
コーチャンフォー：大型複合店で雪ミクカフェや限定グッズ販売。

2020年代の主なコラボレーション

札幌モーターショー / 札幌モビリティショー：公式アンバサダーに就任。
みよしのさっぽろ：ぎょうざとカレーのショップとコラボ。
N1モードグランプリ：雪ミクの衣装デザインコンテストを実施。
白い恋人（石屋製菓）：雪ミクプリントの「白い恋人」を販売。
VIRTUAL TRIP to SAPPORO：雪ミクがダンスするオリジナルムービーを公開。
さっぽろテレビ塔：雪ミクと「テレビ父さん」のコラボグッズ販売。
札幌市新成人へのお祝いメッセージ：市長や著名人らと共にお祝いメッセージ動画を公開。
定山渓温泉：フォトスポットの設置やグッズ販売、写真撮影会を実施。
雪ミクラッピングバス：定山渓温泉直行バスを雪ミク仕様にラッピング。
オホーツク・ガリンコタワー：雪ミク限定ノベルティを配布。
【XR企画】「等身大初音ミク」と「360°バーチャル見学」：AR技術を活用した体験イベント。
ひろはこ：青森県弘前市・北海道函館市の観光事業に協力。
北海道エネルギー：サービスステーションでコラボ企画を実施。
札幌市制100周年記念事業：PRアンバサダーに就任。
北海道エアシステム (HAC)：雪ミクラッピング機を運行。
さっぽろ雪まつり資料館：雪ミク展示コーナーを設置。
デザインマンホール蓋：雪ミクとユキネが描かれたマンホール蓋を設置。
札幌・COCONO SUSUKINOの屋外デジタルボード：雪ミク時報を上映。
北海道超三笠フェスティバル！ with 雪ミク：三笠市でイベントを開催。
スープカレーコラボ：札幌市内のスープカレー店とコラボ。
大地の歓：ピアプロキャラクターズのイラストを使用したスイーツセットを発売
2024札幌丘珠空港FESTIVAL：利尻島・礼文島PRアンバサダーであるユキネと共に雪ミクが登場。
北海道e-水プロジェクト：公式アンバサダーに就任。
大倉山ジャンプ競技場：ミュージアムショップにてコラボグッズ発売。
函館コレクション：雪ミクの似顔絵コンテストの受賞作品をあしらった衣装を制作。

スポーツ関連のコラボレーション

北海道を本拠地とするプロスポーツチームや競技、スポーツ施設とのコラボレーションも多数行われています。

SNOW MIKU SNOW SPORTS LINE

雪ミクとスノースポーツのコラボレーションプロジェクトで、ウィンタースポーツ用品とのコラボレーションを実施。

競技・スポーツ団体とのコラボレーション

北海道日本ハムファイターズ：コラボグッズ販売や雪ミク歌唱の「ファイターズ讃歌」を演奏。
2017冬季アジア札幌大会：PRアンバサダーを担当。
昭和新山国際雪合戦大会：イベントを応援し、グッズ販売を実施。
北海道コンサドーレ札幌：プロサッカークラブとのコラボレーション。
ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ：Bリーグオールスター戦でデジタルアンバサダーを務める。
雪印メグミルク杯全日本ジャンプ大会：雪ミクが大倉山ジャンプ競技場に登場。
レバンガ[[北海道]]：プロバスケチームとのコラボグッズを展開。

その他のメディアミックス

雪ミクは、様々なメディアミックスも展開しています。

2010年代の主なコラボレーション

サンリオキャラクター：ハローキティやクロミなどとのコラボレーション。
ファミリーマート：雪ミクグッズの限定発売やラッピング店舗を実施。
フレーム切手：毎年デザインを変更したオリジナルフレーム切手を販売。
PRONTO（プロントコーポレーション）：コラボメニューを提供。
ダイハツ（DBC）×雪ミク：雪ミク仕様の自動車やカスタムパーツを発売。
魔法少女まどか☆マギカ：コラボイラストやグッズを展開。
ポッカサッポロフード&ビバレッジ：雪ミク仕様のラッピング自動販売機や飲料を販売。
はとバス：雪ミクのラッピングバスを運行。
ラブライブ! / μ’s：雪像設置を記念したコラボグッズ販売。
SAPPORO 雪ミク WAON：雪ミクデザインのWAONカードを発行。
KDDI：「Tango」の空間認識技術を活用した案内サービスの実証実験を実施。
ナツキタ（JR東日本）：JR東日本駅構内NewDays・NewDaysKIOSKにてコラボ企画を展開。
けものフレンズ：雪像コラボを記念したグッズ販売。
Re:ゼロから始める異世界生活：雪像コラボやコラボグッズ販売。
ラスカル：アライグマのキャラクター「ラスカル」とのコラボレーション。

2020年代の主なコラボレーション

雪ミクペチュ スノーブルー：雪ミクの名を冠したペチュニアを販売。
アローラロコン（ポケットモンスター）：YOSAKOIソーラン祭りでのコラボやグッズ販売。
エイチ・アイ・エス / HIS：オフィシャルツアーの発売。
ESP：雪ミクをイメージしたギターを発売。
PUI PUI モルカー：雪像コラボを記念した企画を実施。
秋葉原UDX：イルミネーションイベントでコラボレーション。

雪ミクは、北海道を応援するキャラクターとして、今後も様々な分野で活動を続けていくことが期待されます。

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