キルギス共和国軍

キルギス共和国軍

キルギス共和国軍は、キルギス共和国の独立に伴い、旧ソ連軍のトルキスタン軍管区の部隊を引き継いで設立された国軍です。兵力は約1万1千人で、陸軍、空軍、防空軍の三軍種から構成されています。また、国境警備隊や内務省軍などの準軍隊も有しています。

歴史

1992年1月13日に国家国防問題委員会が創設され、同年5月29日には、キルギス領内の旧ソ連軍の部隊と施設がその管轄下に置かれました。1993年末には、国家防衛委員会が国防省に改編されました。

1999年には、バトケンおよびジャラル・アバド州に侵入した武装勢力の掃討のため、南部軍集団が編成されました。この軍集団は2000年に一旦解散しましたが、2001年に再度編成され、近隣諸国と協力して武装勢力の撃滅作戦に従事しました。

2006年後半には防空軍が創設され、防空体制の強化が図られました。2010年のキルギス騒乱では、共和国軍は暫定政府側を支持しました。

近年では、2021年、2022年にタジキスタンとの国境沿いで武力衝突が発生しており、国境警備の重要性が改めて認識されています。

編制

キルギス共和国軍は、以下の三軍種から構成されています。

陸軍: 主に地上戦を担当します。
空軍: 航空戦力による防空や、地上部隊への航空支援を行います。
防空軍: 領空の防衛を担います。

これらの軍種を統括する機関として、国防省と参謀本部が存在します。

装備

陸軍は、様々な火器、戦車、装甲車、火砲などを装備しています。

小火器: PSM、トカレフ、マカロフ、AKM、AK-74、AKS-74U、ドラグノフ狙撃銃、RPK-74、PK機関銃、DShK重機関銃、NSV重機関銃、RPG-7対戦車擲弾
戦車: T-72
装甲戦闘車両: BRDM-2、BRDM-2M、BMP-1、BMP-2、BTR-70、BTR-70M、BTR-80
対戦車兵器: 9K11 マリュートカ、9K111 ファゴット、9K111-1 コンクールス対戦車ミサイル、SPG-9無反動砲、MT-12/T-12 100mm対戦車砲、M-1944 100mm対戦車砲
火砲・ロケット砲: 2S1 グヴォズジーカ122mm自走榴弾砲、D-30 122mm榴弾砲、M-30 122mm榴弾砲、D-1 152mm榴弾砲、BM-21、9P140 ウラガン自走多連装ロケット砲、2S9 ノーナ-S 120mm自走迫撃砲、BM-43 82mm迫撃砲、2B9 82mm迫撃砲、2S12 120mm迫撃砲、M-120 120mm迫撃砲
対空兵器: 9K32 ストレラ-2、9K35 ストレラ-10地対空ミサイル、ZSU-23-4 23mm自走高射機関砲、S-60 57mm高射機関砲

空軍は、輸送機やヘリコプターなどを保有しています。

固定翼機: An-2、An-26、L-39
ヘリコプター: Mi-24、Mi-8MT、Mi-8
対空兵器: S-75M3 ドヴィナー、S-125M1 ネヴァーM1地対空ミサイル

徴兵制度

キルギスでは徴兵制度があり、18歳から27歳までの男子が対象となります。兵役期間は18ヶ月（高校卒業者は12ヶ月）です。良心的兵役拒否も認められており、代替奉仕を選択することも可能です。

教育制度

将校の養成は、キルギス国家軍事士官学校やビシュケク高等軍事学校で行われています。また、ロシアやカザフスタンなど、海外の軍学校への留学制度も充実しています。

準軍隊

キルギスには、正規軍以外にも、内務省国内軍、非常事態省の民間防衛部隊、国家保安庁の特殊部隊、国境庁の国境警備隊、大統領直轄の国家親衛隊といった準軍隊が存在します。これらの部隊は、平時には各省庁の管轄下にありますが、戦時には国防省の指揮下に入ります。

キルギス共和国軍は、国の防衛と治安維持において重要な役割を担っています。

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