グロム (アイスクリームチェーン店)

グロム (GROM) について

グロムは、イタリアのトリノに本部を置く、北イタリアを中心に展開するアイスクリームチェーンです。創業者のフェデリーコ・グロムとグイド・マルティネッティは、食品添加物を一切使わず、素材本来の味、香り、色を最大限に生かしたアイスクリームを提供することを目指しました。

こだわりの素材

グロムのアイスクリームに使用される材料は、イタリア国内だけでなく、世界中から厳選されています。特に、スローフード協会が支援する、消滅の危機にある小規模な伝統的生産物（コーヒー豆、バニラ、マンダリンオレンジなど）を使用している点が特徴です。また、自社で運営する有機農園「ムラ・ムーラ」で栽培された果物も使用することで、常に新鮮で高品質な素材を確保しています。

店舗の特徴

店舗は、大理石のカウンターや木張りの床が特徴で、高級感のある落ち着いた空間を提供しています。2008年頃からは、商品説明にカラー写真を使用し、より顧客にわかりやすい情報提供を心がけています。

グロムの歴史

2003年5月18日、トリノの旧市街に第1号店をオープンしました。その後、2007年には初の海外店舗をニューヨークに開店し、グローバル展開を開始しました。同年、ピエモンテ州コスティリィオーレ・ダスティに有機農園ムラ・ムーラを開業し、自社での素材栽培をスタートしました。2008年にはパリ、2011年にはローマにも店舗をオープンしています。

2011年11月には、コーヒー会社イッリィカッフェの出資を受け、現在はイッリィグループに所属しています。

日本での展開

日本では、2009年4月24日に東京・新宿に1号店がオープンしました。その後、原宿、埼玉・越谷、大阪にも店舗を拡大しましたが、2014年11月15日に新宿店が閉店し、2018年9月2日には大阪店も閉店、オンラインショップも2018年8月27日に営業を終了し、日本での展開は終了しました。

スローガン

グロムの基本精神を表すスローガンは「IL GELATO COME UNA VOLTA（イル・ジェラート・コメ・ウナ・ヴォルタ）」です。これはイタリア語で「昔ながらのアイスクリーム」を意味し、「添加物を加えなかった時代の手作り味のアイスクリームを提供する」というグロムの理念を表現しています。定番フレーバーである『クレマ・コメ・ウナ・ヴォルタ』も、このスローガンに由来し、「昔ながらのクリーム（卵のアイスクリーム）」を意味します。

フレーバーの特徴

グロムのフレーバーは、その時点で最も最適な材料を使用するため、同じフレーバーでも時期によって変化があります。

アイスクリーム系 (CREMA)

CREMA COME UNA VOLTA (クレマ・コメ・ウナ・ヴォルタ): 有機農家の卵と新鮮な生クリームを使用し、爽やかなレモン風味を加えた、グロムを代表する定番フレーバー。
CREMA DI GROM (クレマ・ディ・グロム): グロムのオリジナルフレーバー。卵入りアイスクリームに、コロンビア産カカオを使用したチョコチップとビスケットを加えています。
FIORDILATTE (フィオールディラッテ): 高品質な牛乳と生クリームを使用した、シンプルなミルク味。
STRACCIATELLA (ストラッチャテッラ): フィオールディラッテをベースに、コロンビア産カカオのチョコチップを加えたフレーバー。イタリアでは一般的なチョコレートチップ入りアイスクリームの名称です。
CIOCCOLATO FONDENTE (チョッコラート・フォンデンテ): ベネズエラ産カカオを使用したビターチョコレートフレーバー。
CIOCCOLATO EXTRA-NOIR (チョッコラート・エクストラ−ノワール): 牛乳を使用せず、コロンビア産カカオのチョコチップを加えた、濃厚なスーパービターチョコレートフレーバー。シャーベットとしても扱われます。
CAFFÈ (カッフェ): グアテマラ産のコーヒー豆を使用したエスプレッソ風味のアイスクリーム。生クリームを控えめに使用しており、わずかなシャリ感があります。
NOCCIOLA (ノチョッラ): ピエモンテ産のヘーゼルナッツ「ノチョッラ・デル・ピエモンテ」を使用したフレーバー。
PISTACCHIO (ピスタッキオ): シリア産ピスタチオを使用したフレーバー。着色料不使用のため、一般的なピスタチオアイスよりも色が浅く暗めです。
YOGURT (ヨーグルト): 全乳ヨーグルトをたっぷり使用したフレーバー。
BACIO (バーチョ): ジャンドゥイャアイスクリームにヘーゼルナッツを混ぜたもの。ヴェネズエラ産カカオとピエモンテ産ヘーゼルナッツを使用。
TORRONCINO (トッロンチーノ): ミルクアイスクリームに、ピエモンテ州アルバのトッローネ（ヌガーに似たお菓子）を砕いて加えたフレーバー。
VANIGLIA (ヴァニーリィア): マダガスカル産バニラを使用したフレーバー。
CASSATA SICILIANA (カッサータ・シチリアーナ): リコッタチーズをベースに、レモン、シトロン、オレンジのシロップ漬けとアーモンドを混ぜた、シチリア風フレーバー。
FIORDILATTE&MENTA (フィオールディラッテ&メンタ): ミントの香りを加えた夏のフレーバー。
CARAMELLO AL SALE (カラメッロ・アル・サーレ): ヒマラヤの塩を加えた塩キャラメル味。
ZABAIONE (ザバイオーネ): 卵ベースに砂糖とワインを加えたデザート。パッシートとマルサーラを使用した2種類のフレーバーがあります。
TIRAMISÙ (ティラミスゥ): ビスケットを加えたティラミス風味のフレーバー。
PANETTONE (パネットーネ): 12月限定のフレーバー。イタリアの伝統的なクリスマス菓子パネットーネをアイスクリームで表現。

フルーツ系 (FRUTTA)

果実を50%使用し、天然水、砂糖、天然増粘安定剤のみで作られています。牛乳は使用せず、シャーベットとして扱われます（ココナッツを除く）。旬の果物のみを使用するため、レモン以外は販売期間が限定されます。

LIMONE (リモーネ): シラクーザ産のレモンを使用した、通年販売の定番フレーバー。
POMPELMO ROSA (ポンペールモ・ローザ): ピンクグレープフルーツのフレーバー。
FRAGOLA (フラーゴラ): 主に自社農園のイチゴを使用したフレーバー。
ALBICOCCA (アルビコッカ): 主に自社農園のアンズを使用したフレーバー。
MELONE (メローネ): 主に自社農園のメロンを使用したフレーバー。
LAMPONE (ランポーネ): トレント産のラズベリーを使用したフレーバー。
PESCA (ペスカ): 桃のフレーバー。
FICO (フィーコ): 自社農園のイチジクを使用したフレーバー。
MIRTILLO (ミルティッロ): ブルーベリーのフレーバー。
PERA (ペーラ): 洋ナシのフレーバー。
MELA (メーラ): 青リンゴのフレーバー。
CACHI (カーキ): 柿のフレーバー。
MANDARINO (マンダリーノ): ハバナ産またはシチリア産のマンダリンオレンジを使用したフレーバー。
COCCO (コッコ): ココナッツフレーバー。唯一牛乳を使用。

グラニータ・シチリアーナ

シチリア発祥の氷菓。スプーンで食べるタイプです。

LIMONE (リモーネ): シラクーザ産レモンを使用。
MANDORLA (マンドルラ): シチリア産アーモンドを使用。
CAFFÈ (カッフェ): グアテマラ産コーヒー豆を使用。
FRAGOLINA DI RIBERA (フラゴリーナ・ディ・リベーラ): シチリア産野イチゴを使用。
MENTA (メンタ): ミントの葉を煎じて使用。
FIORDILATTE&MENTA (フィオールディラッテ&メンタ): ジェラート版のグラニータ版。

チョッコラータ・カールダ (ホットチョコレート)

FONDENTE (フォンデンテ): ベネズエラ産カカオを使用。
AL LATTE (アル・ラッテ): コロンビア産カカオを使用。
GIANDUJA (ジャンドゥイャ): ベネズエラ産カカオとピエモンテ産ヘーゼルナッツを使用。

フラッペ

日本でいうシェイク。任意の1～2フレーバーと牛乳をミキサーにかけて提供。

トッピング

BISCOTTO di Battifollo (ビスコット・ディ・バッティフォッロ): とうもろこしの粉を使用した硬めのビスケット。グロムオリジナルフレーバー「クレマ・ディ・グロム」に使用。
PANNA MONTATA (パンナ・モンタータ): 生クリームを泡立てたホイップクリーム。

店舗情報

2019年3月現在、イタリア国内およびアメリカ、フランスに店舗を展開しています。

イタリア国内

ピエモンテ州、ロンバルディア州、ヴァッレ・ダオスタ州、トレンティーノ＝アルト・アディジェ州、ヴェネト州、フリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア州、リグーリア州、エミリア・ロマーニャ州、トスカーナ州、ウンブリア州、ラツィオ州

イタリア国外

アメリカ：ニューヨーク、マリブ（ロサンゼルス）
フランス：パリ