ジェームズ・スミス＝スタンリー

ジェームズ・スミス＝スタンリー卿の生涯と政治

ジェームズ・スミス＝スタンリー卿（1717年1月7日 - 1771年6月1日）は、18世紀のグレートブリテン王国の政治家であり、ランカスター公領大臣を務めました。彼は「ストレンジ卿」の儀礼称号を使用していましたが、実際にはストレンジ男爵の継承権を持っていませんでした。

生い立ちと教育

1717年、第5代準男爵サー・エドワード・スタンリー（後の第11代ダービー伯爵）の息子として生まれました。ウェストミンスター・スクールで教育を受けた後、ライデン大学に進学し、その後グランドツアーに出かけました。

政治家としてのキャリア

ダービー伯爵家はランカシャー選挙区で大きな影響力を持っていましたが、1736年にジェームズ・スタンリーが亡くなると、その議席は一時的にトーリー党に奪われました。しかし、1741年の総選挙でストレンジ卿は庶民院議員に当選し、以降1771年に亡くなるまでその地位を維持しました。

議会では無所属として行動し、ホレス・ウォルポールからは「全般的にはトーリー党側で投票している」と評されました。彼はハノーヴァー朝を支持する一方で、部隊招集に向けた募金に反対するなど、独自の政治姿勢を貫きました。

1757年には、ジョン・ビングの軍法会議に関する弁論でビングを擁護し、軍法会議の裁判官を批判しました。また、ヘンリー・フォックスが組閣を試みた際には、ランカスター公領大臣への就任を辞退しました。同年から1771年までランカシャー統監を務めました。

1761年、ジョージ・クックが提出した動議に賛成したことで国王ジョージ3世の不快感を買いましたが、翌年にはランカスター公領大臣に任命され、枢密顧問官にも任命されました。しかし、大臣としての賃金受け取りを拒否し、宮廷から距離を置きました。ジョン・ウィルクスの誹謗文書事件では、首相ジョージ・グレンヴィルと同じくウィルクスを批判しましたが、その内容は異なっていたとされています。

第1次ロッキンガム侯爵内閣期には印紙法の廃止に反対し、チャタム伯爵内閣期には与党側に立ちました。グラフトン公爵内閣期にはウィルクスの庶民院議員就任に反対し、ノース内閣期にはロンドン市長ブラス・クロスビーのロンドン塔投獄を支持しました。

死去

1771年6月1日、バースで卒中を起こして亡くなりました。父に先立って死去したため、爵位を継承することはありませんでした。

家族

1747年、ルーシー・スミスと結婚し、2男3女をもうけました。長男のエドワードは後に第12代ダービー伯爵となりました。

ストレンジ卿の人物像

ジェームズ・スミス＝スタンリー卿は、無所属の議員として、一貫して独自の政治姿勢を貫きました。彼は、時の政府の方針に必ずしも従わず、自身の信念に基づいて行動しました。また、ランカスター公領大臣の地位にありながら、宮廷との距離を保ち、権力に迎合することはありませんでした。彼の生涯は、独立不羈の精神を持つ政治家として、記憶されるべきでしょう。

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