スペース・ミラー・メモリアル

スペース・ミラー・メモリアルは、フロリダ州ケネディ宇宙センターのビジターコンプレックス内にある、アメリカの宇宙開発に関わり命を落とした人々を追悼する国立記念碑です。1991年5月9日に献納され、米国議会によって「職務中に死亡した宇宙飛行士を追悼する国立施設」と定められました。この記念碑は、アストロノーツ・メモリアルの一部であり、宇宙飛行士記念財団（AMF）によって管理されています。

記念碑には、NASAの宇宙飛行士だけでなく、X-15のテストパイロット、機密軍事宇宙計画で亡くなった空軍将校、チャレンジャー号とコロンビア号の事故で亡くなった民間宇宙関係者やイスラエル人宇宙飛行士など、様々な立場で宇宙開発に携わり亡くなった人々の名前が刻まれています。2019年には、民間宇宙飛行で死亡した人々の名前も追加されることが決定され、2020年1月にはVSSエンタープライズの墜落事故で亡くなったパイロットの名前が刻まれました。

記念碑は、高さ約13メートル、幅約15.2メートルの鏡面仕上げの黒御影石でできており、表面は90枚のパネルに分かれています。各パネルには、亡くなった人々の名前が刻まれており、名前は半透明のアクリルで埋め込まれ、背後のLEDライトによって照らされます。近くには花崗岩の壁があり、1991年の建立時に名前が刻まれた人々の肖像と経歴が展示されています。この記念碑のデザインは、国際コンペで優勝したウェス・ジョーンズ氏によるものです。

当初、記念碑は太陽追尾システムを備えており、太陽光を反射させて名前を照らす仕組みでした。しかし、1997年に追尾システムが故障し、修理後も問題が再発したため、AMFは追加修理を断念し、その費用を教育プログラムに充てることを決定しました。

記念碑の建設費は約620万ドルで、その一部はトレーディングカード「スペースショット」の販売や、フロリダ州の特別ナンバープレートの販売収益によって賄われました。また、アポロ11号50周年記念硬貨の収益の一部もAMFに寄付されました。

記念碑に名前が刻まれるのは、アメリカ合衆国が支援する有人宇宙飛行ミッション中または訓練中に死亡した人々です。これには、セオドア・フリーマン、エリオット・シー、チャールズ・バセット、ガス・グリソム、エドワード・ホワイト、ロジャー・チャフィー、クリフトン・ウィリアムズ、マイケル・J・アダムス、ロバート・H・ローレンス・ジュニア、ディック・スコビー、マイケル・J・スミス、ロナルド・マクネイア、グレゴリー・ジャービス、ジュディス・レズニック、エリソン・オニヅカ、クリスタ・マコーリフ、ソニー・カーター、リック・ハズバンド、ウィリアム・マッコール、マイケル・アンダーソン、イラン・ラモーン、カルパナ・チャウラ、デイビッド・ブラウン、ローレル・クラーク、マイケル・アルスベリーなどが含まれます。

宇宙飛行士記念財団（AMF）は、1986年のチャレンジャー号爆発事故後に設立され、宇宙教育を支援する活動を行っています。AMFの初代会長にはスティーブン・フェルドマンが就任しましたが、高額な年俸が批判を浴びました。その後、2012年にはザット・アルトマンが会長に就任しました。

スペース・ミラー・メモリアルは、宇宙開発の歴史における犠牲者たちを永遠に記憶し、彼らの功績を称える場所として、多くの人々に訪れられています。

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