スラートターニー駅

スラートターニー駅は、タイ南部スラートターニー県のプンピン郡に位置するタイ国有鉄道南本線の主要駅です。旧トンブリー駅から635.02kmの地点にあり、ターピー川の南側に位置しています。1日に28本の列車が発着する一等駅であり、特急列車を含む全ての列車が停車します。

スラートターニー駅は、スラートターニー県の県都であるムアンスラートターニー郡の中心部から約12km離れています。市街地への移動には、ソンテウが主に利用されています。空港周辺にはタクシーも少数ながら存在しますが、地方都市ではタクシーは主に空港へのアクセス手段として利用されることが一般的で、駅にはタクシーが常駐していません。しかし、正規の営業許可を持たない「白タク」はほぼ常時待機しています。

この駅は、ムアンスラートターニー郡にあるバーンドン波止場からタイ湾中部の島々を結ぶ航路への乗り換え地点であり、アンダマン海沿いの主要観光地であるプーケットへの陸路の乗り換え地点としても重要な役割を担っています。鉄道を利用する地元住民やタイ人旅行者、外国人観光客も多く利用します。タイ国鉄では、バンコクのクルンテープ駅から当駅を経由してサムイ島への航路や、プーケットへのバス乗車券と鉄道乗車券をセットにしたジョイント・チケットも販売しています。

駅には乗務員の拠点があり、当駅以南を結ぶ長距離列車の多くでは、当駅で乗務員の交代が行われます。

歴史

スラートターニー駅は、1916年7月17日にプンピン駅として開業しました。その後、スラートターニー駅に改称されました。第二次世界大戦中には日本軍の軍事輸送拠点として利用され、ターピー川に架かるチュラチョムクラーオ鉄橋と共に爆撃目標となり、1945年5月にアメリカ軍機による爆撃で破壊されました。タイ鉄道局は、駅の対岸であるターピー川左岸（バンコク側）にスラートターニー2駅という仮駅を設置し、分断区間を渡し船で連絡して運行を続けました。

1953年2月16日には、再建されたチュラチョムクラーオ鉄橋が開通し、同日付でスラートターニー2駅は廃止されました。1954年には、スラートターニー駅の新駅舎が完成しました。

開業年表
1903年6月19日：旧トンブリー駅 - ペッチャブリー駅間が開業（150.49km）
1911年6月9日：ペッチャブリー駅 - チャアム駅間が開業（36.57km）
1911年11月25日：チャアム駅 - フワヒン駅間が開業（25.93km）
1914年1月1日：フワヒン駅 - ワンポン駅間が開業（19.86km）
1914年6月1日：ワンポン駅 - プラチュワップキーリーカン駅間が開業（69.48km）
1915年12月1日：プラチュアップキーリーカーン駅 - バーンクルット駅間が開業（58.2km）
1915年3月15日：バーンクルット駅 - バーンサパーンヤイ駅間が開業（15.99km）
1916年7月17日：チュムポーン駅 - バーンナ駅間が開業（193.81km）
1945年5月：駅舎が戦災で被害
1954年：新駅舎が完成

駅構造

スラートターニー駅は、単式ホームと島式ホームが1面ずつある複合型ホーム2面2線の地上駅です。駅舎はホームに面して建てられています。

駅周辺

スラートターニー空港（約12km）

参考文献

柿崎一郎『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘『タイ国鉄4000キロの旅』（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
* タイ国有鉄道南本線

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