チュムポーン駅

チュムポーン駅について

チュムポーン駅（タイ語:สถานีรถไฟชุมพร）は、タイ王国南部のチュムポーン県ムアンチュムポーン郡に位置する、タイ国有鉄道南本線の重要な駅です。この駅は、県庁所在地であるムアンチュムポーン郡の中心部に位置しており、約15万人が暮らすこの地域の交通の要となっています。駅の東側は市街地が広がっており、人々の生活に密着した利便性の高い場所にあります。

一等駅であるチュムポーン駅には、特急列車を含む全ての列車が停車します。そのため、1日に26本（13往復）もの列車が発着しますが、利用しやすい時間帯（7:00から19:00）の発着は1日2往復に限られています。早朝や深夜に発着する列車が多いのが特徴です。

歴史

タイ国有鉄道南本線は、東北本線、北本線に次いで3番目に建設された幹線です。1903年6月19日に、旧トンブリー駅 - ペッチャブリー駅間（150.49km）が開業したのを皮切りに、ペッチャブリー駅、ソンクラー駅、カンタン駅の3か所から同時に延伸工事が始まりました。1916年9月1日、チュムポーン駅で南北からの路線が接続され、全線が開通しました。

以下は、南本線の各区間の開業日です。

1903年6月19日：旧トンブリー駅 - ペッチャブリー駅 (150.49km)
1911年9月6日：ペッチャブリー駅 - チャアム駅 (36.57km)
1911年11月25日：チャアム駅 - フワヒン駅 (25.93km)
1914年1月1日：フワヒン駅 - ワンポン駅 (19.86km)
1914年6月1日：ワンポン駅 - プラチュワップキーリーカン駅 (69.48km)
1915年12月1日：プラチュワップキーリーカン駅 - バーンクルット駅 (58.2km)
1915年3月15日：バーンクルット駅 - バーンサパーンヤイ駅 (15.99km)
1916年7月17日：チュムポーン駅 - バーンナ駅 (193.81km)
1916年9月1日：バーンサパーンヤイ駅 - チュムポーン駅 (92.01km)

駅構造

チュムポーン駅は、単式ホームと島式ホームを組み合わせた2面2線の地上駅です。駅舎はホームに直接面しており、利用者のアクセスが容易です。

駅周辺

駅の周辺には、以下の施設があります。

チュムポーンバスターミナル（約700m）
チュムポーン工場（タイ国有鉄道の工場）


チュムポーン駅の西側には、タイ国有鉄道のチュムポーン工場が隣接しています。この工場では、ディーゼル機関車、気動車、客車、貨車の修理・整備が行われており、常に多くの車両で賑わっています。また、駅前には、退役した蒸気機関車178号機（1919年製、N.B.L.Co.Hyde.Park製造）と235号機（1926年製、Baldwin製造）が静態保存されています。これらの機関車は、鉄道の歴史を物語る貴重な存在です。

参考文献

高田隆雄　『タイ国の蒸気機関車』　（エリエイ出版部、1978年）
岡本和之　『タイ鉄道旅行』　（めこん、1993年）ISBN 4-8396-0080-5
杉本聖一　『魅惑のタイ鉄道』　（玉川新聞社、2000年）ISBN 4-924882-29-1
柿崎一郎　『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』　（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘　『タイ国鉄4000キロの旅』　（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
タイ国有鉄道南本線
* クラ地峡横断鉄道

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