テキサス・マッケンジー

テキサス・マッケンジー：カウボーイギミックで世界を席巻した巨漢レスラー

フランク・ヒュー・マッケンジー、通称テキサス・マッケンジーは、1930年7月21日にアメリカ合衆国ワシントン州エドモンズで生まれ、2001年5月31日に70歳で生涯を終えたプロレスラーです。テキサス出身のカウボーイというキャラクターを演じ、その長身を生かしたファイトスタイルで、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、世界各地で人気を博しました。

初期のキャリア

デビュー当初は本名のヒュー・マッケンジーとして活動し、2メートルを超える身長から「ジャイアント・ゴライアス」というリングネームも使用。テキサス州ダラス地区などで経験を積みました。

1954年からは「テックス・マッケンジー」と名乗り、カナダのトロント地区に登場。テキサスから来た正義のカウボーイとして人気を集め、同年にはホイッパー・ビリー・ワトソンとのタッグでNWAカナディアン・オープン・タッグ王座を獲得。グレート東郷&トシ東郷の日系悪役コンビとも激しいタイトル争いを繰り広げました。その後もカナダの主要テリトリーを転戦し、エドモントンやバンクーバーでもタッグ王座を奪取。バンクーバー地区では、同じく巨漢レスラーであるスカイ・ハイ・リーとの対戦も話題となりました。

アメリカでの活躍

1957年からはアメリカ西海岸を主戦場とし、ロサンゼルスではイリオ・ディパオロとのコンビでNWAインターナショナルTVタッグ王座を獲得。サンフランシスコでは、ボボ・ブラジルとのタッグでシャープ兄弟からNWA世界タッグ王座を奪取しました。1959年には、アル・コステロ&ロイ・ヘファーナンの初代ファビュラス・カンガルーズと抗争するなど、トップレスラーとしての地位を確立しました。

日本での挑戦

1960年10月には、「テキサス・マッケンジー」として日本プロレスに初参戦。力道山&豊登が保持するアジアタッグ王座に2度挑戦しました。シングルマッチでは吉村道明や芳の里とも対戦しましたが、アメリカやカナダでの実績ほどのインパクトを残すことはできませんでした。

さらなる活躍の場へ

帰国後はAWAに参戦し、ラリー・ヘニングやオットー・フォン・クラップらと対戦。カール・クラウザーとのタッグでAWA世界タッグ王座にも挑戦しました。ロサンゼルスのWWAでは、フレッド・ブラッシーやザ・デストロイヤーといった強豪と鎬を削り、エドワード・カーペンティアともタッグを組むなど、第一線で活躍しました。

1964年からはオーストラリアに拠点を移し、キラー・コワルスキーとの抗争を展開。1967年にはIWA世界ヘビー級王座を獲得し、スカル・マーフィーやトール・タナカともタイトルを争いました。1969年にはIWA世界タッグ王座も獲得しています。

その後、アメリカに戻り、NWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座やAWA中西部ヘビー級王座を獲得。1970年代前半は五大湖エリアで活動し、ザ・シークやアーニー・ラッドといった強豪と対戦しました。

晩年

1974年には国際プロレスに再来日。ジャイアント馬場やラッシャー木村とも対戦しましたが、かつてのような活躍は見られませんでした。帰国後はダラス地区でNWAアメリカン・タッグ王座を獲得。新団体IWAではカラー・コメンテーターを務める傍ら、現役レスラーとしても活動しました。

2001年5月31日、腹部大動脈瘤により死去。70歳でした。

得意技

ブルドッギング・ヘッドロック
ニー・リフト

タイトル歴

NWAカナディアン・オープン・タッグ王座
NWAカナディアン・タッグ王座（カルガリー版）
NWA北西部タッグ王座
NWAインターナショナルTVタッグ王座
NWA世界タッグ王座（サンフランシスコ版）
IWA世界ヘビー級王座（オーストラリア版）
IWA世界タッグ王座（オーストラリア版）
NWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座
AWA中西部ヘビー級王座
NWAテキサス・タッグ王座
* NWAアメリカン・タッグ王座

テキサス・マッケンジーは、その長身とカウボーイギミックで、世界中のプロレスファンを魅了しました。数々のタイトルを獲得し、多くの強豪レスラーと対戦した彼の功績は、プロレス史に深く刻まれています。

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