パレルモ県

パレルモ県は、イタリア共和国シチリア州に属する県級行政区画であり、シチリア島の北海岸中央部に位置しています。県都パレルモは、シチリア州の州都でもあり、この地域における政治、経済、文化の中心地としての役割を担っています。

歴史と行政

パレルモ県は、2015年9月4日に従来の県（Provincia）から大都市圏（Città metropolitana）へと移行しました。しかし、イタリア語版ウィキペディアなどでは、旧県と新都市圏が別項目として扱われているため、本稿では便宜上、双方を「パレルモ県」として一括して扱います。

名称

標準イタリア語では「provincia di Palermo」と呼ばれますが、シチリア語では「Pruvincia di Palermu」と表記されます。

地理

パレルモ県は、ティレニア海に面しており、美しい海岸線が特徴です。県都パレルモは、トラーパニから東北東へ約75km、アグリジェントから北北西へ約92km、エンナから北西へ約101km、カターニアから西北西へ約166km、メッシーナから西へ約192kmの距離に位置しています。また、ティレニア海上のウスティカ島も県域に含まれています。

隣接する県としては、東にメッシーナ県、南東にエンナ県、南にカルタニッセッタ県、南にアグリジェント県、西にトラーパニ県があります。

主要な都市

2001年の国勢調査によれば、県内には多くの都市や集落が存在しますが、人口2万人以上の主要な都市は以下の通りです。

パレルモ - 678,535人
バゲリーア - 49,073人
パルティニーコ - 29,205人
カリーニ - 25,325人
テルミニ・イメレーゼ - 23,484人
モンレアーレ - 20,196人

行政区画

パレルモ県には、合計82のコムーネ（基礎自治体）が属しています。主要なコムーネ（人口上位10位）については、表で示されています。

文化・観光

パレルモ県には、多くの文化的な見どころや観光名所があります。特に有名なのは、モンレアーレ大聖堂です。この大聖堂は、ノルマン建築様式を代表する建造物であり、その壮麗な姿は多くの観光客を魅了しています。

交通

パレルモ県には、以下の主要な空港があります。

パレルモ国際空港（チーニジ）
パレルモ・ボッカディファルコ空港（パレルモ）

パレルモ国際空港は、別名ファルコーネ＝ボルセリーノ空港とも呼ばれ、この名称はマフィア撲滅に尽力したものの、マフィアによって暗殺されたジョヴァンニ・ファルコーネ判事とパオロ・ボルセリーノ判事を記念して付けられました。

出身人物

パレルモ県は、多くの著名な人物を輩出しています。その中には、彫刻家のヴィンチェンツォ・ラグーザ、イタリア王国の首相を務めたヴィットーリオ・エマヌエーレ・オルランド、作家のジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサなどがいます。

また、映画監督のフランク・キャプラ、マフィアのボスとして知られるラッキー・ルチアーノ、ミケーレ・ナヴァーラ、ミケーレ・グレコ、ルチアーノ・リッジョ、サルヴァトーレ・リイナ、ベルナルド・プロベンツァーノ、サルヴァトーレ・ロ・ピッコロもパレルモ県の出身です。加えて、山賊でありシチリア独立運動家であったサルヴァトーレ・ジュリアーノ、自転車競技選手のギド・メッシーナ、判事のジョヴァンニ・ファルコーネとパオロ・ボルセリーノ、作曲家のサルヴァトーレ・シャリーノ、映画監督のジュゼッペ・トルナトーレ、サッカー選手のサルヴァトーレ・スキラッチ、歌手のフィリッパ・ジョルダーノもこの地域の出身です。

パレルモ県は、豊かな歴史と文化、美しい自然、そして多くの著名人を輩出した地域として、イタリアの中でも重要な場所の一つです。

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