ブルネイの地理

ブルネイの地理

ブルネイは、東南アジアに位置する小国で、南シナ海に面し、マレーシアと国境を接しています。その地理的な特徴は、国土の大半が平坦な海岸平野であること、東部に山地が、西部に丘陵地が広がっていることです。

位置と境界

ブルネイは北緯4度30分、東経114度40分に位置しています。マレーシアとは481.3kmにわたる国境を共有し、海岸線の長さは161kmです。

地形

国土の大部分は平坦な海岸平野で、東部は山地、西部は丘陵地となっています。国土の最低地点は海面と同じ0m、最高地点はパゴン山（Bukit Pagon）の1850mです。

ムアラからプカンツトンにかけての海岸部には褶曲丘陵が見られますが、標高は高くありません。主要な河川としては、テンブロン川、ブルネイ川、ツトン川、ブライト川があり、これらの流域には湿地が、河口にはマングローブ林が形成されています。

気候

ブルネイの気候は、高温多湿な熱帯性気候です。平地は熱帯（冷熱帯・暖熱帯）、高地は亜熱帯湿潤気候となっています。首都バンダルスリブガワンでは、乾季と雨季の2つの季節があり、乾季は非常に暑く24〜36℃、雨季は暖かく湿潤で20〜28℃程度です。

地域別の気候

ブルネイ・ムアラ地区：沿岸部および北部の標高が低い地域は熱帯雨林気候（Af）、中部では亜熱帯湿潤気候です。（20〜36℃）
ツトン地区：熱帯気候で、北部は暑く、南部は暖かいです。（22〜32℃）
ブライト地区：熱帯気候で、北部は暑く、南部はやや暖かいです。（25〜37℃）
テンブロン地区：南部の標高が高い地域は亜熱帯湿潤気候、沿岸部と北部の標高が低い地域は熱帯雨林気候です。（18〜29℃）

天然資源

ブルネイは、石油、天然ガス、木材などの天然資源に恵まれています。特に石油と天然ガスは重要な輸出品であり、2003年の統計では、原油の15%、天然ガスの85%が日本に輸出されています。日本はブルネイにとって最大の貿易相手国です。

土地利用

ブルネイの総面積は5,765km2で、陸地が5,265km2、水面が500km2です。総面積はイギリスのノーフォークや日本の三重県とほぼ同じくらいです。

2005年のデータによると、耕地が3.6%、森林が52.8%を占めています。また、2003年の灌漑面積は10km2です。

海洋

ブルネイは、インド洋と太平洋を結ぶ重要なシーレーンである南シナ海に面しています。南シナ海の海洋権益に関して、ブルネイ政府は以下の主張をしています。

排他的経済水域（EEZ）：沿岸から200海里（370.4km）または中間線まで
領海：12海里（22.2km）まで

環境

ブルネイでは、台風、地震、大規模な洪水は非常に稀です。ブルネイは環太平洋火山帯に位置しています。

近年では、インドネシアの山火事に起因する季節的な煙や靄が環境問題として挙げられます。

国際合意への参加状況

ブルネイは以下の国際合意を批准しています。

ワシントン条約
国連海洋法条約
モントリオール議定書
マルポール条約

参考文献

下元 豊『もっと知りたいブルネイ』弘文堂、1986年、ISBN 4335510195
『データブック・オブ・ザ・ワールド 2009年版』二宮書店、平成21年1月15日発行、479pp. ISBN 978-4-8176-0333-3

関連項目

ブルネイ
ブルネイの行政区画

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