ロメオサウルス

ロメオサウルスとは

ロメオサウルス（学名: Romeosaurus）は、モササウルス科に属する絶滅した海生爬虫類の属です。約9300万年から8500万年前の後期[[白亜紀]]、チューロニアンからサントニアンにかけての時代に生息していました。化石はイタリアで発見されており、その名は発見地のヴェローナにちなんで名付けられました。

名前と発見

属名であるロメオサウルスは、化石が発見された都市ヴェローナにゆかりのあるロミオに由来します。タイプ種であるRomeosaurus fumanensisの種小名は、化石が発見されたフマーネという地名にちなんでいます。また、Romeosaurus sorbiniiの種小名は、ヴェローナ自然史博物館の古生物学者であり学芸員であったロレンツォ・ソルビニを称えて命名されました。

ロメオサウルスの化石は、ヴェネト州にあるフマーネやロファ山といった複数の場所で発見されています。これらの化石は、小型から中型のモササウルス科爬虫類であり、クリダステスよりもわずかに大きく、全長は4メートル以上と推定されています。他のモササウルス科の仲間と同様に、細長い体とヒレ状の四肢を持っていたと考えられています。

形態的特徴

ロメオサウルス属は、頭蓋骨の特徴によって2つの種に分類されます。タイプ種であるロメオサウルス・フマネンシスは、4つの不完全な標本に基づいていますが、これらの標本から十分な情報が得られています。この種は、比較的薄い顎を持ち、上下それぞれに大きく湾曲した15本の歯が並んでいます。歯の断面は円形ではなく、前後に弱い稜があります。歯冠は滑らかで、エナメル質の存在は確認されていません。

一方、ロメオサウルス・ソルビニイは1つの標本のみが知られており、前頭骨の形状が異なり、顎の歯の数が13本と少ないこと、そしてエナメル質が存在することが特徴です。

分類と系統

ロメオサウルスは、レッシーニ山脈のロファ山とフマーネの間にある複数の産地で発見された化石をもとに、2013年に記載されました。系統解析の結果、ロメオサウルスは北米に生息したラッセロサウルスに最も近縁であり、コロンビアのヤグアラサウルスと共に、原始的なモササウルス科の亜科であるヤグアラサウルス亜科を構成するとされています。このヤグアラサウルス亜科は、テティサウルスとパンノニアサウルスからなるテティサウルス亜科に類似しています。これら2つの亜科を含む系統群は、ティロサウルス亜科やプリオプラテカルプス亜科に代表される別の系統群に近い関係にあります。

ロメオサウルスの特徴的な点として、歯の前方に吻が突出しており、これはテティサウルス亜科やルッセロサウルスと区別するための重要な特徴となっています。

研究により、ロメオサウルスは脚のヒレ状の進化がより進んでいたことが示唆されています。当時のテティサウルス亜科やヤグアラサウルス亜科が、四肢が陸上歩行に適した構造を持ち、仙骨が残っていた一方で、モササウルス亜科のダラサウルスもプレシオペダル型のモササウルス科であったことから、四肢の形状と仙骨の癒合は、それぞれの系統で独立して進化したと考えられています。

古生態学

ロメオサウルスは、スカリア・ロッサ・ヴェネタと呼ばれる地層から発見されました。この地層からは、サメ（クレトキシリナやプチコダス）、カメ（プロトスファルギス）、アンモナイト、そして浮遊性有孔虫といった化石も見つかっており、後期[[白亜紀]]のこの地域が外洋環境であったことが示されています。

参考文献

* Alessandro Palci , Michael W. Caldwell & Cesare A. Papazzoni (2013): A new genus and subfamily of mosasaurs from the Upper Cretaceous of northern Italy, Journal of Vertebrate Paleontology, 33:3, 599-612

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