サントニアン

サントニアン（サントン期）とは

サントニアン（Santonian）は、後期[[白亜紀]]の地質時代の一つで、約8630万年前から8360万年前の期間を指します。この時代は、地層の単位である「階」（または「ステージ」）としても定義され、「サントン階」「サントニアン階」という名称も用いられます。

サントニアンの定義

サントニアン階は、1857年にフランスの地質学者アンリ・コカンによって定義されました。その名称は、タイプ産地であるフランスのサントに由来します。サントニアン階の開始は、二枚貝であるクラドケセラムス (Cladoceramus undulatoplicatus) の出現によって定義され、終了はウミユリの一種である Marsupites testudinarius の絶滅によって定義されます。ただし、これらの定義点は、2009年時点では国際標準模式層断面および地点として正式に指定されていません。

サントニアンの細分化

サントニアンは、さらに下部、中部、上部に細分されることがあります。テチス海地域では、アンモナイトの一種であるプラセンチセラス・ポリオプシスによって特徴づけられる時代とほぼ一致します。イノセラムス類やナノプランクトン、有孔虫などの化石に基づく詳細な生層序学的研究も進められています。

日本におけるサントニアン

日本では、和歌山県有田川地域でサントニアン階の地層が見られます。この地域では、アンモナイトやイノセラムス類の化石が豊富に産出しますが、化石の保存状態は必ずしも良好ではありません。特に外和泉層群は、サントニアン階から下部カンパニアン階に相当し、イノセラムスの一種である Inoceramus amakusensis が産出することで知られています。また、北海道や九州の地層からも産出する Sphenoceramus nagaoi も、この時代の特徴的なイノセラムスです。

サントニアンの生物相

サントニアンの地層からは、多様な生物の化石が発見されています。

アンモナイト

ハイファントセラス・オリエンターレ
メヌイテス・ジャポニクス
テキサニテス・カワサキイ
メタイテス・スツネリ

イノセラムス類

イノセラムス・アマクセンシス

軟骨魚綱

ヘクサンタス
ノティダノドン
ノティダノイデス

首長竜

ドリコリンコプス

モササウルス科

エオナタトル
エゾミカサリュウ
パンノニアサウルス
ティロサウルス

ヘビ

マドトソニア

ワニ形上目

ノトスクス
シャモスクス

翼竜

アララズダルコ
バコニドラコ
カイウアヤラ
サムルキア

曲竜類

ハンガロサウルス
ニオブララサウルス
ピナコサウルス
ツァガンテギア

角竜

クラスペドドン
グラキリケラトプス

鳥脚類

アルスタノサウルス
クラオサウルス
エオトラコドン
グリポサウルス
ロフォロトン
ニッポノサウルス

竜脚類

ミクロコエルス
クアエシトサウルス
ソニドサウルス

非鳥類型獣脚類

アキレサウルス
アキロバトル
アレクトロサウルス
アウカサウルス
エルリコサウルス
ギガントラプトル
サノス
クシクシアサウルス

鳥類

アパトルニス
ネウケノルニス
パラヘスペロルニス
パタゴプテリクス

哺乳類

プラシメクソミス

植物

パラエオアルドロヴァンダ - モクレン綱


これらの化石は、サントニアンの生態系や生物進化の解明に重要な情報を提供しています。

参考文献

Gradstein, F.M.; Ogg, J.G. & Smith, A.G.; 2004: A Geologic Time Scale 2004, ケンブリッジ大学出版局

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