三条城

三条城

新潟県三条市にかつて位置していた日本の城です。

起源と中世の変遷

その起源は明らかではありませんが、伝承によれば平安時代に三条左衛門によって築かれたとされています。その後、前九年の役が終わった後に、安倍貞任の家臣であった黒鳥兵衛に攻め落とされたとも伝えられています。

南北朝時代に入ると、この城は南朝方を支持する池氏の拠点として利用されました。室町時代になると、越後守護代であった長尾邦景に従う山吉久盛が城主となります。応永三十年（一四二三年）には、守護の上杉房朝方の勢力、具体的には中条房資、黒川基実、加地氏、新発田氏によって攻撃を受けますが、この時、黒川基実、加地氏、新発田氏が途中で敵に寝返ったため、城は落城を免れました。

戦国時代の激動

戦国時代に入っても、三条城は代々山吉氏が城主を務めました。しかし、天正五年（一五七七年）九月に当時の城主であった山吉豊守が死去すると、彼には嫡子がいなかったため、弟の山吉景長が家督を継承しました。

ところが、景長の所領は半減され、彼は木場城へ移ることを余儀なくされます。代わって三条城には神余親綱が配されることになりました。

上杉謙信の急逝によって勃発した御館の乱では、親綱は栃尾城主の本庄秀綱と呼応し、上杉景虎方として上杉景勝に対抗する姿勢を見せました。景虎の死後も景勝への抵抗を続けた親綱でしたが、かつての城主であった山吉景長が城内の旧臣に働きかけ内応を促した結果、天正八年（一五八〇年）六月に城は落城し、親綱は自刃を選びました。

落城後、景勝は三条城に応急的な普請を施し、甘粕景持を城主に任じました。天正九年（一五八一年）に勃発した新発田重家の乱においては、ここが上杉方の重要な中継拠点としてしばしば活用されることになります。

近世の城主交代と終焉

上杉景勝が会津へ移封された後、城主となったのは堀秀治の家老である堀直政でした。直政の嫡男である堀直清が城代としてこの城を預かることになります。

慶長五年（一六〇〇年）に発生した上杉遺民一揆の際には、城は攻撃を受けながらも堅く守り抜かれました。しかし、慶長十五年（一六一〇年）に堀家が改易された後、同十七年（一六一二年）には徳川家康の六男である松平忠輝の附家老となった松平重勝が新たな城主として入城しました。

元和二年（一六一六年）、市橋長勝が三条城主に任じられると、彼はこれまでの城とは別に、信濃川の対岸東側にあらたな城を築きました。しかし、市橋氏はわずか五年で改易され、その後、稲垣重綱が入城しました。

最終的に、寛永十九年（一六四二年）に幕府の命により、三条城は廃城となり、その歴史に幕を閉じました。

関連項目

• - 三条藩
• - 本成寺
• - 日本の城一覧

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